子どもが熱心に打ち込んでいる「ハマりごと」のなかには、親からすると「いまいち共感できない」といったものもしばしば。そんなとき、つい否定的なことを言ってしまったことがある人もいるのではないでしょうか? 多数の教育機関と連携しながら子どもの未来のサポートと研究を行っている「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」によると、親が子どもの夢中になることを素直に応援できない意外な理由があるといいます。子どもの「好き」との向き合い方について、詳しく教えてもらいました。

※ この記事は『自立した子どもになるための やらない子育て』(扶桑社刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

親の「心配」「不安」「無関心」を生み出すものとは?

息子が鉄道オタクでジオラマづくりに熱中していたり、娘が2.5次元アイドルに夢中になっていたり…。

親にとってなじみのないことに子どもが関心をよせると、子どもの“好き”は尊いことと理解していても、素直に応援しづらいものです。

ですが、そう感じる理由は単に「詳しく知らないから」かもしれません。わからないことには不安や心配、無関心がついてまわるもの。だからこそ、否定する前に「知ろうとする」ことが大事。

まずは、子どもと一緒に楽しむことから始めましょう。すると、諸手をあげて賛成とはいかずとも、一部はおもしろいと思えたり、すてきだと感じられたりするものです。

子どもの好きを“逆輸入”して、知らない世界をおもしろがりましょう。

●全否定はNG。本人と親の気持ちを両方尊重

たとえば、女の子ならファッションやメイクについて、早い子では未就学の頃から興味をもち始めることがあります。露出度の高い洋服や派手なメイクをするようになるのではないかと心配する気持ちもよくわかりますが、好きから発展してプロのメイクアップアーティストやスタイリストを目指す可能性があるかもしれません。

どうしても心配ならば、「メイクはお休みの日だけ」とルールを決めたり、親としての懸念点を挙げながら「こういうところが心配だよ」と伝えたり。

理由なく「ダメ」と全否定するのではなく、本人の「好き」も、親としての心配も、両方を尊重するいい塩梅を探れば、子どもの可能性をつぶさなくてすみますよ。

自分の“好き”にフタをするのはもったいない

以前取材でお会いした、ネイリストとして活躍する女性は、40歳をすぎてからネイルの世界に飛び込んだ方でした。

彼女の両親がネイル業界に否定的だったため、英語が得意だった彼女は周囲の期待どおりに語学系の学部へ進学。長年外資系企業で活躍していたそうです。

それでも自分の“好き”にフタはできないものですね。「これが本当に私のやりたいことなのだろうか?」と自問し、専門学校への入学を決意。今では、大好きなネイル業界で忙しく過ごされています。

10代の若者と机を並べて学んだことも「本当に楽しかった」と、いきいきとお話しされていたのが印象的でした。

●好きなことに没頭する姿勢は人生の「宝」になる

自分の“好き”にフタをして、違和感を抱えながら人生を歩むというのは、非常に苦しいだろうと想像します。そうして過ごした時間がまた、とてももったいない。

たとえ好きなことが仕事にならなくても、没頭していた姿勢はムダにはなりません。挑戦して失敗して、どうすれば成功できるかと考える。その一連の経験で培った力は、人生においてさまざまな局面で生かされるからです。

先のネイリストの女性は、「“好き”って本当に楽しいんだ」と語っていました。

自分がなにをしていると幸せを感じるのか、どうすれば楽しく過ごせるのかを知っていることはなによりの財産です。

なぜなら、自分の“好き”を知れば、自分の人生を自分の手で豊かにできるからです。その“自知力”こそが、自分の人生を幸福に彩ってくれるのです。