JRT四国放送

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火災や地震などの災害に対処する消防士。

その、一人前の消防士を目指し約半年間にわたり技術や知識を身につける、消防学校の訓練にカメラが密着しました。

■初任科生24人

2025年4月、北島町の県消防学校に24人の初任科生が入校しました。

(阿南市消防本部・土井望愛さん)
「消防職員の責務を深く自覚し、徳島県消防学校規則その他の諸規定を守り、勉学に専念することを固く誓います」

県内各地で採用された消防士たちは、約半年間24人で共同生活を送り、自分たちが描いた理想の消防士を目指して日々、過酷な訓練に立ち向かいます。

(板野東部消防組合消防本部・清水 大輝さん)
「現場に出たときに、最前線で活躍できる消防士になるたい」

(海部消防組合消防本部・竹村 彰朗さん)
「救助、救急、消防全てできる消防士になりたい」

日々、成長する初任科生たち。

その汗と涙の厳しい訓練の一日に、カメラが密着しました。

■汗と涙の厳しい訓練

午前6時半、消防学校の一日はこのチャイムから始まります。

初任科生たちが、続々と外へ出ていきます。

(記者)
「6時40分、訓練員が集まりました」

常に求められるのは規律。

秩序ある団体行動は、消防活動の根幹です。

平日は全員が寮で生活をしながら、消防士、そして社会人としての基礎をみっちり叩き込まれます。

■一日7コマの授業

午前9時。

「おはようございます!起立、敬礼、直れ、お願いします」

授業は一コマ50分、座学と訓練を合わせて一日7コマです。

この日の座学は「特殊災害」

これは、大規模災害など警察などの他の機関と連携しなければならない際に、冷静な判断や知識で対応に当たるための講義です。

このほかにも地方自治法などの法律から、物理や化学といった科目まで、消防士として幅広い知識が求められます。

■昼食はどんなメニュー?

午前11時50分、座学を終えた初任科生たちは、待ちに待った昼食の時間です。

この日は、鶏肉や野菜といったヘルシーなメニューです。

午後からの訓練に向けて英気を養います。

(徳島中央広域連合消防本部・松本大和さん)
「美味しいです」
「最近暑いので量食べれないが、救助訓練に入ってから(たくさんエネルギーをつかうので)食べれるようになった」

(鳴門市消防本部・寒川瑞生さん)
「野菜もいっぱい入ってて美味しいです。暑いけど午後からも頑張りたいです」

そして、この日は特別に初任科生が生活する部屋を案内してもらいました。

寮は4人1組の部屋で、1人の部屋は3畳、ベッド、机、クローゼットがあり、部屋にはこんなものも…。

■寮の部屋を特別に

(記者)
「なぜ懸垂バーを?」

(美馬市消防本部・山口光毅さん)
「背中の筋肉をつけることが大事、部屋にいるときも出来るように設置した」

(記者)
「やってもらって良いですか?」

(美馬市消防本部・山口光毅さん)
「この部分を持って、しっかり背筋を伸ばして」

(記者)
「余裕ですか?」

(美馬市消防本部・山口光毅さん)
「余裕です」

ともに過ごす仲間との日々が、貴重な時間となっています。

■野外での救助訓練

束の間の休息を終え、午後1時からは野外での救助訓練です。

この日は、ロープを使った救助訓練です。

川の中州に取り残された人を助け出すことなどを想定し、「モンキー」と呼ばれるロープを渡る方法に初めて挑戦しました。

手と足で体重を支えながらロープ間を渡るため、手足の入れ替えのタイミングが重要です。

(県消防学校・藤川龍 主任教官)
「足を入れ替えながら、右左と入れ替える渡過になる」
「自転車漕ぐように入れ替えて、足も蹴りながら」

初挑戦のモンキーに悪戦苦闘。

順調にスタートしても腕が疲れてくると、ロープと体が離れてしまい、ほとんどの初任科生が途中で止まったり落下していました。

それでも、教官からコツを教えてもらい、何度も挑戦し、最後はゴールする初任科生もいました。

そのほか、崖下に転落した人を救出する「懸垂降下訓練」や、ロープに繋いだリングを滑らせて渡る「チロリアン渡過」と呼ばれる訓練も行われました。

■過酷な暑さの中

この日の最高気温は34度、猛暑の中、初任科生たちは力を振り絞り、訓練に励みました。

■唯一の女性初任科生

その中に、唯一の女性初任科生がいました。

土井望愛さんです。

土井さんは幼い頃から「大好きな徳島の県民の命を守る仕事がしたい」との思いから、消防士を志しました。

しかし、消防学校に入ると、想像以上に過酷な訓練の日々が待ち受けていました。

この日の訓練でも、筋力のなさからなかなか前に進むことができず、周りに置いていかれます。

「止まるな土井、行けよ消防士なれるんか?」
「そこから頑張ろう」

歯を食いしばり、涙を流しながらゴールを目指します。

最後は、教官の手を借りながらゴール。

力の差を痛感する一日でしたが、仲間の存在が土井さんを支えます。

(阿南市消防本部・土井望愛さん)
「力も弱いし体力もないので、出来ないことがいっぱいあって、心が折れそうになることがたくさんあるが」
「そのたびに仲間が真正面から向き合ってくれて支えてくれるので、がんばろうって思える」

■いつか来るかわからない災害

(県消防学校・藤川龍 主任教官)
「いつあるかわからない災害、常日頃から確かな知識、正確な技術を備えていくことで、いざというときに役立つ」
「いざというときに一分一秒が要救助者のもとに到達できる、救出できるというところに繋がると信じています」

過酷な訓練に立ち向かう理由、それは県民の命を守る一人前の消防士になるため。

卒業まで残り2か月、初任科生の訓練は続きます。