ちゃんみな『AREA OF DIAMOND 3』(写真=田中聖太郎)

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 5月に静岡で開幕したちゃんみなのライブツアー『AREA OF DIAMOND 3』。その東京公演が、6月28日・29日に国立代々木競技場 第一体育館で行われ、豪華ゲストが集結した。本稿では2日目を迎えた29日の模様をお届けする。

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 定刻を過ぎた頃、ピンク色に染まるルビーのオブジェに乗って登場したちゃんみな。「Ay-yo! What’s up, Tokyo!」とシャウトした瞬間にダイヤのガラスを蹴破り、「^_^」でド派手に狼煙が上がる。ダンサーと共に可動式の階段でステージを練りまわり、流れるように「ハレンチ」へ。〈タリラリラッタッタララ〉と一緒に歌う観客に「いいじゃん最高」と応える貫禄に、他でもない“ちゃんみな”というジャンルが確立されていることを痛感する。

 「皆様ようこそ、『AREA OF DIAMOND 3』へ。みんな会いたかったよ!」という序盤のMCで明るく挨拶をしたちゃんみなは、本ツアーで掲げるビジョンについて、「今回のテーマは“勝利”という意味を持つ“ルビー”」であると紹介。「このツアーを走り切る頃には私と一緒に手を繋いで勝利の道へ突き進む――そんな体制が一緒に取れたらいいなと思います」「みんな、一緒に勝とうね」と意気込んだ。

 「『AREA OF DIAMOND 3』、開幕です」――その言葉を合図に、轟々たる火柱が燃え盛る中で熱演した「KING」ではまさに女王のような風格を見せ、「東京、次はあなたの番ですよ」と誘う「B級」では花道からセンターステージまでを練り歩く。その光景はさながら一種の祭り、パレードのような華やかさだった。続く「君からの贈り物」でも12名のダンサーとともにビビッドピンクのファーを纏い、〈有難う愛しい人よ〉と魂を込めた雄叫びが会場中にこだました。

 中盤はしっとりとしたセットリストで空気を変える。「花火」では、美しい映像とライティングで夏の儚さを演出。大きな満月を背負って歌う「Never Grow Up」は、2019年のリリース当時からプライベートでも大きな変化を経た彼女が歌うとまた違った魅力が感じられる。〈月が綺麗だね〉と歌う彼女の美しさにこそ目を奪われる、そんな瞬間だった。

 「私が代々木体育館に立ってるなんて、とてもびっくりしてます」――ちゃんみなは2017年の『ちゃんみな 1st Live 未成年 ~To be QueeN~』(代官山UNIT)から始まった自身のライブを振り返り、噛み締めるようにそう言った。本公演で髪をピンクに染めた理由は、ツアーテーマである“ルビー”の他にもう1つあるそう。コロナ禍で観客の声が全く聞こえなかった2021年の武道館公演『THE PRINCESS PROJECT -FINAL-』でもピンクをテーマカラーにしていたことから、観客の声がしっかりと聞こえる本ツアーでは当時の気持ちを思い返し、この髪色を再現したのだという。

 ルビーのように艶やかな髪を揺らすちゃんみなは、「今、恋してる方いますか? そんなあなたたちに勇気を出す曲を歌いたいと思います」と切り出すと、「I hate this love song」に想いを込め、アリーナが煌めくようなサウンドに包まれる。直後、センターステージで佇むちゃんみなに歩み寄っていったのは、メインステージ上に現れた夫のASH ISLANDだ。2人は時に見つめ合いながら「20」を熱唱。ちゃんみながリードする形でトークし、ASH ISLANDが「みなをこれからもよろしくお願いします」と会場を和ませると、続く「OST(JP ver.)」では平成ギャルに変身した2人によるカラオケ映像が流れる中、夫婦ならではの絡みも見せながら共演を楽しむ。最後は互いに手を取り合い、メインステージへと駆け抜けていく仲睦まじい後ろ姿を会場中が見守っていた。

 早くもセットリスト後半。「みんな最近泣いた?」「私はみんなの涙。みんなの涙を私にください」と想いを叫ぶように歌う「Angel」で「みんなが泣いた時少しでも思い出す存在になれますように」と心から願ったちゃんみなの言葉は、観客一人ひとりの心に届いたことだろう。さらに、ちゃんみなのロックナンバーの代名詞「I’m Not OK」でスタンドマイクを握り熱唱するその姿は、ここ数年の大きな変化で幾重にも進化を遂げたちゃんみなの深みを感じさせるものだった。

 ここで後半の勢いを加速させるルーキー、HANAが登場。「Drop」「ROSE」と立て続けに披露して会場を地鳴りのような歓声に包み込んだ7人は、「ちゃんみなさんの愛する皆さんにお会いできて光栄です」(NAOKO)とROYAL FAMILY(ちゃんみなのファンの呼称)にも感謝を伝える。そして、間髪入れずメインステージ上から“プロデューサー”のちゃんみなが登場。再び『AREA OF DIAMOND 3』の世界に引き込むと、圧倒的な表現力で「命日」「美人」「ダリア」を歌い上げ、場の空気を掌握した。

 「HANAは私の光でもあって、音楽をしてきて良かったなと思える存在です」――大切なものを想うような温かな口調から歌唱に入った『No No Girls』プロジェクトのテーマソングでもある「NG」では、観客もフックを歌い会場中が大合唱に。

 本編ラスト前には今ツアーのテーマ“ルビー”に回帰し、「“勝利”とは何か考える日々でした。辿り着いたのは、自分の信念を曲げないということです」「どれだけ自信を持って“私は私だ”と言えるかです。何かに負けそうになった時に思い出してください。あなたは生きてきたそのままで素晴らしくて唯一無二だっていうことを」と語りかける。最後に「7月7日、ツアーを完走する頃、一緒にそう思ってくれる?」と問いかけ、ツアー最終日までの“約束”を結んだ。本編を締めくくる最新曲「WORK HARD」でその文字通り、宙吊りになってアリーナ上を飛ぶハードな演出も笑顔で完遂してみせる姿に、思わず呆気に取られつつ、自然と拍手する手が止まらない観客も散見された。

 アンコールでは、青山テルマとTAKUYA∞(UVERworld)を招き、「ONIGIRI (feat. UVERworld & CHANMINA)[Remix]」(青山テルマ)で大暴れ。「TOKYO 4AM」を経て「みんなへ送ります」と歌い出したラストナンバー「SAD SONG」では、「願いはただひとつ。いつか私が死んでも、みんな、私の愛を覚えておいてください!」と祈るような声で語りかけ、ステージを去った後も耳に残って離れなかった。

 代表曲「美人」の歌詞にもある“ダイヤモンド”は、ちゃんみなにとって「すごくピュアなもの」だという。原石の時点で綺麗だけど、磨かれるとどんどん美しくなっていく、そして、ダイヤモンド自体、幸せも不幸も2倍になる運気を持っている……。宝石の代表格でありながら、光も影も併せ持つその独自性が、彼女が伝えたいメッセージとリンクしたこと。それが、『AREA OF DIAMOND』の名を冠した過去3つのツアータイトルの由来だとインタビューで語っている。(※1)。

 中でも『AREA OF DIAMOND 3』は、彼女の人生を物語るようなライブだった。青山とTAKUYA∞をステージに呼んだ際、「『AREA OF DIAMOND』は輝いていると思う人たちを呼ぶ場でもある」といった話をしていたが、そもそもちゃんみな自身の輝きや煌めきがまっすぐ投影されるのもこのライブの味だと思う。究極のエンタテインメントでありながら人生のリアルもしっかりと描かれた2時間半。冷めやらぬ熱を噛み締めながら、筆者は背中を押されるような気持ちで帰路についたのだった。

※1:https://numero.jp/interview380/p2

(文=風間珠妃)