自民党はいつ「石破降ろし」に動くのか? キーマンは麻生太郎、国民民主にもパイプあり
公示前の247議席から56議席も減らす大敗を10.27衆院選で喫しながら、引責辞任せず、居座り宣言した石破首相。しかし、死屍累々となった自民党内には、石破執行部に対する怒りが渦巻いている。いずれ「石破降ろし」の動きが表面化するのは間違いない。
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「選挙直後ということもあり、まだ自民党内で『石破批判』の声は大きくなっていません。自公合わせても過半数割れという非常事態に直面し、権力闘争をする余裕を失っていることや、反主流派の牙城だった安倍派の衆院議員が次々に落選し、わずか20人に減ってしまったということもあります。しかし、もともと党内には『石破嫌い』が多く、『石破降ろし』のマグマはたまっている。反主流派はタイミングをはかっているはずです」(自民党関係者)
いったい「石破降ろし」は、いつ勃発するのか。動き出すのは、来年春以降との声が多い。すでに「過半数割れの少数与党では、予算も成立しない。来年春、予算成立と引き換えに石破のクビを差し出すことになる」とのシナリオも取り沙汰されている。
さらに、来年夏には、都議選と参院選が行われるため、それぞれの候補者から「石破首相では選挙の顔にならない」と、石破退陣を求める声が噴出しても不思議じゃないという。
その時「石破降ろし」のキーマンとなるのが、石破を毛嫌いしている麻生太郎最高顧問だ。
衆院で59人という最大勢力を誇っていた旧安倍派は、20人にまで激減してしまったが、麻生派は40人から31人に減りはしたが最大勢力となり、旧茂木派も32人→27人と傷が小さい。これまで二人三脚でやってきた麻生最高顧問−茂木前幹事長の2人がタッグを組んで動けば、それなりの固まりとなるという。
■「連合」芳野会長とは酒を酌み交わす仲
麻生の強みは、国政のキャスチングボートを握った国民民主党とパイプがあることだ。加えて、国民民主の支援組織である労組「連合」の芳野友子会長とは、酒を酌み交わす仲だ。
「少数与党に転落した自公政権は、予算にしろ、法案にしろ、成立させるためには野党の賛成を取りつける必要があります。カギになるのが、国民民主党です。国民民主党が『イエス』と賛成してくれれば政権運営は安定し、逆に『ノー』と反対されると石破政権は行きづまる恐れが強い。もし、国民民主党にパイプがある麻生さんが裏から手を回したら、どうなるのか……」(政界関係者)
石破内閣の支持率は、またダウンしている。「選挙の顔」になるほど支持率がアップしない限り、石破政権はいつ終わりを迎えてもおかしくない。
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自公過半数割れという政権与党の大敗に終わった衆院選は、かつて最大派閥を誇った旧安倍派の面々が相次いで落選。安倍元首相の妻・昭恵夫人が応援に駆け付けた候補は「3勝6敗」だった。関連記事【もっと読む】ではその惨状を詳しく報じている。