男子500メートルで優勝した新濱立也(左は森重航、右は倉坪克拓)(カメラ・林 直史)

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◆スピードスケート◇全日本距離別選手権(25日、長野市エムウェーブ)

 26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズンが開幕し、男子500メートルは日本記録保持者の新濱立也(高崎健康福祉大職)が34秒55で2年連続4度目の優勝を果たした。

 新濱は電光掲示板でタイムを確認すると、驚きが混ざったような笑みを浮かべた。11組中の9組目で自身の国内最高に0秒15と迫る34秒55を記録。2位の森重航(オカモトグループ)に0秒43差の快勝に「正直、連覇は全く考えていなかった。ケガ明けの復帰戦だったので、自分のレースをしっかりするというところにフォーカスしていた。無事に連覇できて本当にうれしい」と胸をなで下ろした。

 3月にドイツでの練習中に転倒し、腰椎を骨折した。最初の1か月はほぼ寝たきりの状態で過ごすなど、夏場のトレーニングを満足に積めなかった中で迎えた大会。さらにはレース前のアップ中に両足の内転筋に違和感も感じた。慎重に入った最初の100メートルで右足が流れ、最後のコーナーはややバランスも崩した。「レース全体として攻めきれなかった。タイムとしてはまだまだ行けた」。反省点こそ残ったが、完全復活への第一歩を力強く踏み出せたことが、何よりの収穫だ。

 来季のミラノ五輪を見据え、ケガ明けの今季は世界と渡り合える状態まで戻すことを目標としてきた。「不安もあった中でいいスタートダッシュが切れた。優勝までいけたところに関しては本当嬉しいけど、ここで満足はできない。ここかららに世界を見据えてやっていかないといけない」と決意を込めた。