衆議院議員総選挙(27日投開票)の東京15区(江東区)には、5人が立候補している。無所属・須藤元気候補(当選0回)は、公約に「消費税減税」をあげて、「日本経済を底上げして、豊かな国を取り戻して、 全ての人が希望を持てる社会を築きたい」と訴えた。

【映像】政治家を目指した理由を語る、須藤元気候補

―自己紹介を

 たまに会うと喜ばれる男、須藤元気でございます。今回の候補者の中で唯一の生まれも育ちも江東区。生まれは江東区の東陽町、居酒屋のせがれです。第四砂町小学校、第二南砂中学校に通っておりました。そして、高校は関東第一高等学校に行き、そこでレスリングを始め、拓殖短期大学へ進学後、全日本ジュニアチャンピオンになりました。その後、渡米してアメリカで格闘技の修業をしまして、 日本に帰ってきてプロの格闘家になったんです。若い方は僕が格闘家って知らないかもしれないんですが、僕と同じ世代の方は須藤元気イコール格闘家のイメージがある方が多いと思います。

 そもそも政治家になろうと思って、格闘技を始めました。名前を挙げて、知名度をつけて、政治家になろうと。政治家になると言って引退しましたが、なかなかタイミングが合わず、その間に拓殖大学レスリング部の監督を12年間やりました。そして全日本学生レスリングの監督も6年間兼任しまして、今着ているのも、その時のジャージでございます。教え子も米満選手がロンドンオリンピックで金メダル、 夏に行われたパリオリンピックでは高谷大地選手が銀メダル。教え子もメダリストになって監督としても大変嬉しく思います。

 話が前後しますが、格闘家の頃は、変幻自在のトリックスターという異名がありました。 その後、引退したときに「WORLD ORDER」というダンスパフォーマンスグループを作りました。若い世代でも「スーツで踊る人たちね」と分かるかもしれません。「WORLD ORDER」は今活動休止中ですが、その活動もやっておりました。

 そして、2019年参議院選挙で当選し、ようやく政治の道に進みました。その後、今年の4月で行われた衆議院候選衆院補選が、地元であるということで、 参議院のバッジを外して勝負いたしました。結果は2位だったのですが、次につながる戦いができたと思い、 次の日から毎日通勤電車に乗り、江東区中を自転車で走りまくり、今を迎えています。今回の選挙、絶対勝ちます。

―なぜ政治家の道に。

 僕は落ち着きのない子供でした。そして、当時は先生からよく殴られて、グレてしまったんです。一回、警察に補導された日がありまして、その時に警官が「あなたの目にまだ光がある」って言ってくれて、僕のことをリリースしてくれたんです。もう悪さをやめなさい、あなたにはできるって言われて、 そこから、まだ目に光があるなら、そういうのやめようと思い、 その時に漠然と政治家になろうと思ったんです。

―須藤氏が考える公約は。

 消費税減税です。日本は失われた30年と言われてますけど、30年間、経済が停滞しています。賃金が上がっていないです。世界192か国中、賃金が上がっていないのは日本だけです。一方で税金と社会保険料だけが上がり続けて、 低所得者層だけじゃなく中間層も生活が厳しくなってきている現状です。そもそも税金には、大納負担の原則がありまして、 大企業やお金持ちから多くの税金をいただいて、 社会的弱者をサポートして格差をなくして、より良い社会を作っていきましょうというのが 税金の考え方の一つなんです。でも消費税は逆進性と言われまして、 お金のない人が不利なんです。

 簡単に説明しますと、年収1億円の人と年収100万円の人がいます。年収1億円の人が例えば生活費で500万円使います。そうすると年収1億円に対して消費税は0.5%です。しかし年収100万円の人は貯蓄するお金もないわけですし、投資するお金もないです。全て生活費に使ってしまいます。そうすると年収100万円の人は消費税10%なんです。弱い者いじめの税制と言われているんですが、 消費税が導入されてから日本経済はずっと停滞している。やはり日本経済の底上げをしないと、日本はこの先ないです。まずは消費税減税は必ず必要になると思います。

 そして、正規・非正規の格差の解消も必要です。今年収300万円以下の人が約4割いますが、 ほとんどの人が非正規雇用です。政府は同一労働、同一賃金と言っていますが、 それが形になっていないので、制度を徹底する必要があります。

 あとは配偶者控除の壁を引き上げる。配偶者控除は、結局130万円を超えてしまうと、 社会保険を自分で払わなきゃいけない。僕は300万円くらいまで引き上げて、 働きたい女性はより働き、女性も今4割が年収200万円以下ですから、稼ぎたい人は稼ぎますし、あとは何と言っても人手不足です。私も今経営者ですが、人手不足なんです。やはり、より女性にも活躍してもらいたい気持ちもありますし、 あとは結婚しようというインセンティブになると思うんです。結婚しようというインセンティブになれば少子化対策にもなるので、 配偶者控除の壁を引き上げるのは、 非常に一石三鳥な政策だと思っております。この3つが主な僕の考えですが、日本経済を底上げして、豊かな国を取り戻して、 全ての人が希望を持てる社会を築きたいと考えています。

―財源はどこから捻出するのか。

 僕は積極財政で、 例えば、消費税を仮にゼロにすると 所得が1割増えるのと一緒です。買い物行ったら毎回10%引いたら、物を買いますよね。物が売れるから、社員の給料も上がります。会社も投資します。そうするとその人たちがまた物を買う。景気の好循環になってきます。より物が売れてより賃金も上がる。賃金が上がらないのは、その逆をやってきているから。日本は全然活性化していない。それを30年続けてしまった。我が国のGDP半分以上が個人消費です。個人消費は、消費が増えないといけないです。

 それを抑制させるために税があり、物をもっと買って作ってもらおうと思ったら、減税させなきゃいけない。学生でも習ってきたことを政府がやってないのはおかしいです。じゃあ、なぜやらないのか。それは大企業の優遇政策やお金持ちが儲かる形。例えば消費税下げた分、法人税や所得税を下げて、それを補填に使っているんです。政府は社会保障の財源だって言ってますが、そんなの嘘ですから。

―政治とカネ問題については。

 残念ながら僕の地元である江東区が、政治とカネの問題の象徴的な場所になってしまった。だからこそ、バッジを外して、無所属で勝負しております。この小選挙区で、無所属で戦うのは不利だと分かっていますが、完全無所属で戦って勝つことによって、政治とカネの問題に終止符を打つことができると信じています。なぜなら、そもそも政治とカネの問題は、選挙制度に問題があると思います。例えば政治家を志して出ようと思ったって、供託金だけで300万円用意しなきゃいけない。僕は前回の補選で1000万円以上使いました。普通の人が選挙出ようと思って、1000万円かけられますか。結局、政治に関心がなくなるのはお金がないと選挙できないっていう形になっているんです。今回の小選挙区で1100名近くの方が立候補していると思いますが、おそらく僕が一番お金をかけていないと思います。

 お金で雇っているスタッフはいないですし 全員ボランティアで戦っています。そもそも選挙は候補者の信念と政策で勝負するものであって、どんだけお金を使ったかは関係ないんです。前回の選挙で、印象に残っている言葉を言われたんですが、「いくらで戦うの?」と聞かれ、「用意できるのは1000万ぐらいですかね」って現職の議員さんに言ったんです。そしたら「そんな額じゃ戦えないよ」と言われました。 「いくら使うんですか?」と聞いたら、「私は3000万か3500万かな」って言われたんです。大きい与党とかはもっとすごいと言われ、結局お金を積めば積むほど、票を稼げるみたいな考え方がいまだにあるわけです。それを終わらせないと政治とカネの問題は終わらないと思います。お金をかけずに組織もなく、本当に元気で勝負しようと頑張っております。

―幸せな社会を作っていくためには。

 日本だけで考えるのではなく、地球規模で考える必要があると思います。1970年から今に至るまで野生動物の7割がいなくなってしまった状況が続くと、この生命、地球が存続するのは不可能な気がします。やはり、この種の絶滅の加速化を考えると、自然と秩序を考えてやっていかなきゃいけない。生まれた場所、人種、信じている神様、そういうのを抜きにして とにかく一緒にこの世の中を良くしていこう、地球規模で考えて良くしていこうという考えは必要じゃないかなと思っています。

(ABEMA NEWS)