駅の利用者も社員も健康に!歩行解析ロボット「歩行データ×AI」で未病対策・沿線住民の健康増進を駅から 埼玉高速鉄道とRDS

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埼玉高速鉄道とRDSは、「健康と移動」をテーマに連携協定を締結すると発表した。今後、駅やその周辺施設において歩行解析ロボット『RDS CORE-Ler』を活用した実証実験を行なっていくとともに、歩行データを活用した未病対策、健康に寄与する駅を目指していくとしている。
●連携協定の主な内容

1:社員、駅利用者、沿線住民の歩行データ等の収集及びデータ提供者への健康アドバイス2:健康アドバイスに関するセミナー等の実施3:歩行(健康と移動)データ等の収集方法、駅の新たな活用方法についての研究開発4:その他双方が必要と認める事項
沿線地域に若い子育て世代が多い埼玉高速鉄道は「駅から始まる子育て支援」をキャッチフレーズに、鉄道施設内への保育施設の誘致、授乳やおむつ交換支援ルームの設置、子供向けカルチャースクールの開催など活動を展開している。
●歩行から病気を早期発見
一方で、少子高齢化が加速し65歳以上の人口が30%に迫る日本では、高齢者の増加とともに、医療・介護サービスを利用する方は増え続け、社会保障費の増大、医療・介護人材の不足が今後の社会課題となっており、「人生100年時代」と言われる現代、心身ともに自立し健康的に生活できる「健康寿命」が重要なテーマである。その健康寿命を縮める要因のひとつに転倒による骨折などがあり、これらの原因と密接に関係しているのが「歩行」だ。特に、認知症、脳卒中、関節疾患などの方は歩行に特徴があり、健康課題の早期発見として「歩行データ」が期待されている。
今回の連携協定では、RDSが開発し国内外で高い評価を得ている歩行解析ロボット『RDS CORE-Ler』を活用し、駅やその周辺施設で一般の人の歩行解析を実施。対象者の歩行データを様々な怪我・疾患を持つ人の歩行データと照らし合わせて評価のフィードバックを行う。また取得した歩行データを今後のインフラの整備等に活用し、駅を中心に「健康と移動」の具現化を目指していく。
●実証実験から次のフェーズへ、両者が担う役割
これまで埼玉高速鉄道とRDSは、埼玉高速鉄道の社員を対象に歩行解析を実施。今後は、2024年10月27日に埼玉スタジアム2002で実施する一般の方々向けの歩行解析を皮切りに、駅や駅周辺施設で歩行解析を行っていく。
多くの方が利用する「駅」を中心に、埼玉高速鉄道が沿線地域の方々との接点をつくり、RDSが歩行解析をはじめとした技術的な役割を担当する。
●歩行解析ロボット「RDS CORE-Ler」
「RDS CORE-Ler」は、3Dカメラを搭載したロボットが歩行姿勢を測定し、得られたデータをク ラウドサーバ上で保存・解析する歩行計測システム。従来は高価な動作解析(モーションキャプチャー)システムが必要だった高精度の歩行動作解析を、安価かつ簡単に行うことができ、歩行測定に特化したことで従来よりも多項目の評価が可能となった。
歩行動作解析を一般の人へ広く普及させることで、歩行データから発見が難しかった病気の早期発見や未病対策に役立つことが期待されている。

●ポイント
1:歩行動作の測定に特化した3次元計測システムで、従来の動作解析システムに比べて安価・簡便に計測可能2:クラウドサーバ上で協力医療機関で計測した疾病データとAIで照合し、被験者の様々な疾病や進行度を推定3:従来の動作解析と異なり測定マーカーの貼付が不要で、被験者は平らな直線を10m歩行するだけで測定可能
●10月27日の浦和美園まつりでデモンストレーションイベント開催
「浦和美園まつり
」は埼玉スタジアム線の浦和美園駅、車両基地などで開催され、毎年多くの来場者が訪れるイベント。連携協定における取り組み第一弾として、2024年10月27日に埼玉スタジアムで歩行解析の計測会を開催を予定している。
当日は歩行解析の他に、上下2つのパーツに車体を分離/合体できるプラットフォーム型モビリティ「Raptor」の展示、8月に開催されたパラスポーツの祭典 車いす陸上で銅メダルを獲得した伊藤智也選手の車いすレーサー「RDS WF01TR」も展示される。(浦和美園まつり&花火大会

●両社コメント
●埼玉高速鉄道 代表 平野邦彦 氏

駅は沿線地域の多くの皆様が日常的に利用されます。駅や周辺施設、そしてRDSの先進技術を活用して沿線住民の健康づくりを応援し、皆様の幸せや地域の活性化に寄与することで、愛される「選ばれる鉄道」を目指してまいります。
●RDS 代表 杉原行里 氏
RDSは、あらゆる形で身体データの取得・解析をおこなってきましたが、これから必要なのは、これらのデータを新たなバイオマーカーとして社会に落とし込んでいくことだと考えています。その中で、埼玉高速鉄道との連携、そして展開していく取り組みは大きな意味をもつプロジェクトです。少子高齢化という社会課題に対し新たな選択肢になることを目指していきます。