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 川崎FのFW小林悠(37)が1―1で引き分けた18日のG大阪戦で同点弾を決め、途中出場からの通算得点数を歴代単独最多の28得点に伸ばした。前記録保持者の播戸竜二ら、短い出場時間で結果を積み重ねた選手に注目した。(記録課・矢吹 大祐)

 1点を追う後半23分に投入された小林は同36分、左クロスに頭で合わせる同点弾。鬼木監督の今季限りでの退任が発表されて迎えた初戦で恩返しとなる勝ち点1を引き寄せた。

 川崎Fのエースとして長く君臨してきた小林は、先発した試合で通算113得点。17年には得点王とMVPの活躍でリーグ初優勝に貢献した。20年にはライバルと先発の座を高いレベルで争い、史上初となる2試合連続で途中出場から複数得点をマーク。実力がありながらサブの役回りもいとわず、チームは圧巻の成績で2度目の連覇を達成した。

 途中出場から通算27得点で記録を長く保持した播戸は、高卒でG大阪入りしてから複数クラブを渡り歩いた。大卒で川崎F一筋の小林とキャリアの道筋は少々異なる。だがともに日本代表歴があり、J1初得点も途中出場から決めるなど共通点も多い。試合途中から結果を残せるようになると当然、先発が増える。自己最多は播戸が04年神戸所属時の17得点、小林は17年の23得点。ともに同シーズンは、途中出場からの得点は一度もなかった。

 同ランクの3位は、現名古屋FWパトリックで24得点。J1の6クラブでプレーし、川崎F所属時には途中出場から小林とアベック弾も決めた。小林は例外ながら、ランク上位には複数クラブを渡り歩いた選手が多い。

 4位森山泰行以下の4選手は、通算で先発よりも途中出場試合数が多かった。常に準備を整え、出番が来れば数少ない好機を生かして結果を残す。小林の活躍で、Jの歴史を支えてきた“スーパーサブ”に再び脚光が当てられたといえる。

 ≪1シーズン最多は9得点≫1シーズンの途中出場からの最多得点は、2度の森山や播戸らが記録した9得点。今季は柏FW木下が7得点で最多となっている。30歳の木下は欧州クラブでキャリアを始め、昨季京都でJ1初得点。柏に加入した今季は当初ベンチスタート中心から結果を残し、ここまで全33試合に出場してきた。先発でも2得点し、J1自身初のシーズン2桁得点に王手をかけている。

 川崎FのFW山田が5得点で2位、湘南FW福田ら3人が4得点で3位と続く。やはり得点を重ねるほど先発も増えていくため、シーズンの終盤には伸びにくい記録といえる。

≪スペイン、バルサが5発で首位キープ≫欧州各リーグ(14〜20日)でイングランドはリバプールがチェルシーを2―1で下し、4連勝の勝ち点21で首位をキープした。スペインは首位バルセロナがセビリアに5―1で大勝し、勝ち点27。Rマドリードはセルタに2―1で勝って3差を保った。ドイツは1位Bミュンヘンがシュツットガルトに4―0で快勝。ライプチヒはマインツを2―0で下して勝ち点17で並ぶ。イタリアは首位ナポリがエンポリに1―0で勝って勝ち点19。2差にインテル・ミラノがつける。フランスはパリSGがストラスブールに4―2で勝ち、リールと引き分けたモナコを抜いて首位に立った。