テスラのロボタクシー発表会で、使用打診を拒否したにもかかわらず映画「ブレードランナー 2049」のイメージを利用されたとして、映画製作会社のアルコン・エンターテインメントがテスラやイーロン・マスク氏、そして映画の配給を担当したワーナー・ブラザースの親会社であるワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を提訴しました。

'Blade Runner 2049' Producer Sues Elon Musk's Tesla Over AI Images

https://www.hollywoodreporter.com/business/business-news/blade-runner-2049-producer-sues-elon-musk-tesla-warner-bros-discovery-1236040228/



‘Blade Runner 2049’ Producers Sue Elon Musk Over ‘Robotaxi’ Imagery - The New York Times

https://www.nytimes.com/2024/10/21/business/media/elon-musk-alcon-entertainment-robotaxi-lawsuit.html

Elon Musk sued for using AI-generated Blade Runner imagery at robotaxi event - The Verge

https://www.theverge.com/2024/10/21/24276092/alcon-entertainment-blade-runner-2049-tesla-musk-warner-bros-discovery-copyright

アルコン・エンターテインメントの訴えは、テスラがロボットタクシー「サイバーキャブ」の発表会を開催するにあたり、映画「ブレードランナー 2049」のイメージを画像生成AIツールにかけて、ライセンスを受けていない宣伝素材を生成したのは著作権侵害や虚偽の支持にあたるという内容です。

Amazon.co.jp | ブレードランナー 2049 4K ULTRA HD & ブルーレイセット(通常版) [4K ULTRA HD + Blu-ray] DVD・ブルーレイ - ライアン・ゴズリング, ハリソン・フォード, アナ・デ・アルマス, マッケンジー・デイヴィス, シルヴィア・フークス, ロビン・ライト, ジャレッド・レト, デイヴ・バウティスタ, ドゥニ・ヴィルヌーヴ



具体的には、テスラがプレゼンテーションの中で披露した以下の画像が、「ブレードランナー 2049」でライアン・ゴズリング演じる主人公が荒廃したラスベガスを探索するシーンをコピーしているとの主張です。



訴訟の相手はテスラとそのCEOのイーロン・マスク氏だけでなくWBDにも及んでいます。これは、テスラが発表会を行うにあたってスタジオ設備や資材をWBDが提供しており、その契約の中で、自社製品をテスラの宣伝活動に用いる契約が交わされた可能性があるためだとのこと。テスラとWBDのライセンス契約の存在について、アルコンはイベント当日に知らされたそうです。

なお、マスク氏はサイバーキャブと「ブレードランナー 2049」を関連付けたいと要望し、WBDはアルコンに許諾を求めたのですが、アルコンは拒否したとのこと。このためにAI生成画像が利用されたものとみられています。

アルコンは、「ブレードランナー 2049」の次のシリーズ製作に向けてパートナー候補との協議を進めている大事な段階にあり、テスラと協力しているかのように受け取られた場合、慎重なパートナーからは敬遠されるおそれがあると主張。損害賠償と、係争中の宣伝資料のこれ以上の拡散禁止を命じる裁判所命令を求めています。