我々の事業の発展の方向性の中で、本当にシナジーを生むことができる企業を絞り込んで、両社でWIN・WINの関係を実現する、しかもお客様に喜んでいただけるという本質をずらさずに進めていきます。

 改めて製品開発とM&Aを軸としながら、事業の方向性をぶらさないような成長戦略を描いていきます。

 ─ 無借金経営を続けるなど、財務体質がいいですね。

 若山 ええ。現預金も豊富で26億円程度あります。その資金をどう使っていくかも、我々の重要な課題です。

 ─ コロナ禍の影響は受けなかったんですか。

 若山 当社はコロナの影響をあまり受けない業態のため、ほぼ横ばいか、少し落ちたかなという程度でした。資金繰りが大変な企業さんが多い中では、堅調だったと思います。

 ─ この健全な財務体質の構築は前会長の方針だった?

 若山 そうです。非常に慎重な人でしたから。私が突っ走るタイプで、前会長はそれを抑える役でもありました。今は、私が走るところを、役員陣が抑えるという体制です。

 アクセルを踏み続けるだけでは方向性を失ってしまいますから、会社としてのアクセルとブレーキのバランスを取りながら、今後も経営のカジ取りをしていきたいと考えています。