中国陝西省、トキ個体群分布の10市網羅を達成
15日、細柳営湿地で実施したトキ24羽の放鳥の様子。(咸陽=新華社配信)
【新華社西安10月18日】中国陝西省林業局と咸陽市は共同で15日、渭河(いが)の秦都区間にある細柳営(さいりゅうえい)湿地でトキ24羽を野生復帰のために放鳥した。これによりトキの野生または人工個体群は、同省全10市を網羅した。
放鳥されたトキは2〜8歳程度で、個体間の血縁関係が比較的遠く、性比も均衡しており、健康で発育の良好な個体。職員は中国の衛星測位システム「北斗」を利用したバックパック型発信器をトキに装着し、活動範囲や採餌状況、生存状況、繁殖状況、放鳥地の環境の質などを重点的に監視する。
陝西省洋県で1981年、科学者が野生のトキ7羽を発見した。以来、40年以上にわたって保護が続けられ、トキの個体数は現在、世界で1万羽を超えている。同省は2013年から、野生復帰のための放鳥をトキの個体群回復を促進する重要な取り組みと位置づけ、省内各地で相次いで野生復帰個体群の確立に成功した。トキの地域個体群間の交流と融合は、トキ個体群の遺伝的多様性を高める上で積極的な意義を持つ。(記者/付瑞霞)