石破新政権誕生で「リアリティ」増す日本の「核持ち込み」…!辺野古で進む「弾薬庫」建設のウラに「不気味すぎる」米国の影…

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知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化していた日本

日本にとっての「最悪のシナリオ」とは?

政府による巧妙な「ウソ」とは一体…?

国際情勢が混迷を極める「いま」、知っておきたい日米安全保障の「衝撃の裏側」が、『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。

※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。

気になる辺野古での弾薬庫建て替え──核兵器の運用も想定か

米海兵隊普天間飛行場の「代替施設」建設のための工事が行われる沖縄県名護市辺野古。メディアの注目を集める海上での埋め立て工事の陰に隠れて、陸上でも気になる工事が進んでいます。

弾薬庫の建て替え工事です。

キャンプ・シュワブに隣接する辺野古弾薬庫地区には、大小約40棟の弾薬庫が存在しています。1972年の施政権返還までは核兵器も貯蔵されていました。返還時に核兵器は撤去されましたが、その後も、有事の際に核兵器を再び持ち込んで運用できる状態を維持するとの「密約」が佐藤栄作首相とニクソン大統領との間で結ばれていました。

ここで現在、古い弾薬庫を解体して、新しい弾薬庫を建設する工事が進められているのです。工事は2017年に開始され、2022年に4棟の新弾薬庫が完成。この年、日米両政府はさらに5棟の新弾薬庫を整備することで合意しました。

アジア太平洋地域の米海兵隊の基地を管理する部隊が2014年に作成した基地の統合管理計画は、「13の弾薬庫を解体し、12の新たな弾薬庫と武器の組み立て区画に建て替える」と記しています。

米国は辺野古に再び核兵器を持ち込んで運用する事態を想定し、老朽化した弾薬庫の建て替えを進めているのではないか──そんな疑問が頭をよぎります。

弾薬庫という「器」を先に

私がこのような疑問を持つのには理由があります。

2009年2月下旬、米議会に設置された「米国の戦略態勢に関する諮問委員会」の主要メンバーが在米日本大使館のスタッフから核政策に関する意見聴取を行ったことがありました。

米国の科学者らでつくる「憂慮する科学者同盟(UCS)」のグレゴリー・カラキ上級アナリストが独自に入手した議事の記録メモ※1によると、同諮問委員会副委員長のジェイムズ・シュレシンジャー元国防長官と日本大使館で政務班長を務めていた秋葉公使との間で次のようなやり取りがされたといいます。

まず、シュレシンジャーが、NATO諸国で行われているように米国の核兵器を日本の陸上に配備する政策に関心があるかと秋葉に尋ねます。

これに対して秋葉は「日本の政治体制は非核三原則を変更することには関心がない」として、米国の核兵器を日本の陸上に配備する政策は「政治的に現実的ではない」と答えます。

この回答を受けて、シュレシンジャーはもう一つのプランを提示して、秋葉の考えを聞きます。

もう一つのプランとは、核兵器を配備するのではなく、核兵器を貯蔵できる弾薬庫を沖縄に建設するというものでした。必要性が生じた時には、いつでも配備できるよう、その器だけ先に整備しておくというプランです。

秋葉は、「説得力があると思う」と前向きな回答をしたといいます※2。

このやり取りは、米国の安全保障専門家の中に沖縄への核兵器再配備をオプションの一つとして考える人が存在していること、そして日本政府の中にもそのオプションを肯定的に捉える人がいることを示しています。

秋葉はその後、外務省事務方トップの外務事務次官を経て、2021年には政府の「安全保障政策の司令塔役」とも言われる国家安全保障局長に就任しました。

新首相に就任した石破茂氏も、過去に「米国の核で守ってもらうと言いながら、日本国内には(核兵器を)置かないというのは、議論として本当に正しいのか」と発言したことがあります(2017年9月6日、テレビ朝日の番組で)。

一つのエピソードに過ぎないと言えばそれまでですが、辺野古で進められている新弾薬庫の建設に不気味な「核の影」を感じずにはいられません。

※1 この記録メモの原文はこちらのサイトで閲覧できる。

※2 2018年3月6日、記者会見で秋葉の発言について問われた河野太郎外相は、「(秋葉に確認したところ)非核三原則に反するような示唆というのはなかったということです」と回答。しかし、秋葉が具体的にどのような発言を行ったのかについては明らかにしていない。

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