テニスのウィンブルドン選手権が2025年大会から機械判定を全面導入して線審を廃止
テニスの四大大会(グランドスラム)の1つであるイギリスの「ウィンブルドン選手権」で、2025年の大会から線審を廃止して、全面的に機械判定技術を導入することが発表されました。このことは、2024年大会での試験がうまくいったため決定したものだとのことです。
Operational Updates for The Championships 2025 - The Championships, Wimbledon - Official Site by IBM
Wimbledon replaces all line judges with electronic line calling from 2025, All England Club says | UK News | Sky News
https://news.sky.com/story/wimbledon-replaces-all-line-judges-with-electronic-line-calling-from-2025-all-england-club-says-13230851
テニス ウィンブルドン 線審を廃止 来年の大会から複数カメラ使った機械判定を全面導入へ | NHK | #テニス
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241010/k10014605851000.html
テニスの大会では、審判によるライン判定に選手が異議を唱える「チャレンジ」で、「ホークアイ」の技術を用いてただちにCGによる検証映像が流れます。ウィンブルドンでも、2007年に「チャレンジ」システムが採用され、ホークアイが導入されました。
ウィンブルドンでも活躍!ホークアイが提供する、テニスのイン・アウト判定|ソニー株式会社|広報note
https://note.com/sonycorporation/n/n57fcef03f3c5
ホークアイ導入後も、基本は主審と線審がライン判定を行ってきましたが、コロナ禍に開催された2020年夏の全米オープンで、線審の代わりにホークアイによるリアルタイムのライン判定サービス「Hawk-Eye Live」が導入され、以後の全米オープンと全豪オープンでは線審が廃止されています。
ウィンブルドンは引き続き線審が置かれていましたが、2024年大会で機械判定を試験導入。十分に信頼できる結果が出たため、「審判の正確性を最大限に追求する上で、重要なステップを踏み出す時期だと判断した」として、2025年大会からの機械判定の全面導入と線審の廃止が決定しました。
ウィンブルドン選手権が開催されるオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブのサリー・ボルトン氏は「長期間にわたる検討と協議の末に導入を決定しました」「ウィンブルドンでは、伝統と革新のバランスを取る責任を深く受け止めています。線審は何十年もの間、ウィンブルドン選手権の審判団の中心的役割を担ってきました。彼らの多大な功績を認めるとともに、献身と奉仕に感謝しています」と語りました。
なお、「チャレンジ」はボールの着地痕が見えにくいために行われるものなので、四大大会のうちクレーコートで行われる全仏オープンにはありません。ただし、ホークアイ自体は設置されているとのことです。
ちなみに、男子プロテニス協会(ATP)は2025年からATPツアー全体で線審を廃止して機械判定を導入することを表明しています。
Electronic Line Calling Live To Be Adopted Across The ATP Tour | ATP Tour | Tennis
https://www.atptour.com/en/news/electronic-line-calling-release-april-2023