「いくらなら売ってくれますか?」と相次ぐファンの声…!「ガンプラ超えのガンダム」を作る”謎の会社員”が明かした「驚きの収入事情」

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「セイレイ」(@seirei526)というXアカウントが、ガンダム、ガンプラファンのあいだで話題を呼んでいる。主な投稿内容は、自身が組み立てたモビルスーツ(MS)の紹介。「ただのガンプラじゃん」と思いきや、実はまったく違う。

市販のLEGOブロック(以下、レゴ)のみで組み立てたレゴ作品なのだ。どのMSも全長は50センチ以上と大きく、その佇まいからは静かな迫力が伝わってくる。

これまで手がけた代表作は次の5体で、いずれも完成時には1万〜4万以上のいいねを獲得する凄まじい反響ぶりだったという。

・ガンダム エアリアル(アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場)

・ユニコーンガンダム デストロイモード(アニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場)

・サザビー(映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場)

・ライジングフリーダムガンダム(アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場)

・上記エアリアルの改良版(内部構造を一新して地震でも倒壊しない仕様に仕上げた)

前編記事〈“ガンプラ”以上にガンダムだ…「これ本当にレゴでつくったの?」制作費30万円の「リアルガンダムの正体」〉に引き続き、“レゴガンダム”を作り続けるセイレイさんに話を聞いた。

ベテランじゃない…?

セイレイさんの作業部屋には、色や大きさごとに小分けにされたレゴブロックがズラリと並ぶ。もちろんガンダム用に作られた特別なブロックは一切ない。毎月約3万円分の市販ブロックを買い込み、徐々にパーツを増やしているのだという。

完成度の高い作品や部屋の雰囲気からは、ベテランレゴビルダーの風格すら漂ってくる。さぞかしレゴブロック歴は長いのだろう。

「あ、いえ、5年前に始めたばかりです。そのうち1年間はまったく触っていないので、レゴブロック歴でいったら4年ですかね。ベテランだなんてとんでもない。ガンダムなどを組み立て始めたのも去年の2月くらいからですし」(以下、「」内はセイレイさん)

それにしては、機体のディテールがリアルすぎる……。もしかして生粋のガンプラ好きがレゴにハマったパターンなのか。

ジブリが大好き

「いえ、ガンプラもほぼ作ったことありません(笑)。僕のことをガンダムマニアくらいに思っているフォロワーの方もけっこういるのかもしれませんが、ガンダム自体もそんなに詳しくなくて……。一番好きなアニメですか?ジブリです。

だから最初の頃は、Xのコメント欄でガンダム作品の有名なセリフを言われてもちんぷんかんぷんでした。そのたびググりながらコメントを返したりしていましたね。いまでこそ色々と学んでガンダムの世界は理解しているつもりが、それでもマニアとは程遠いですよ」

ちなみに、セイレイさんは普段会社員として働いており、「Xで発信していることは会社や同僚に秘密にしている」とのこと。ガンダムやレゴとは無縁の仕事だそうだ。

とはいえ、作品を紹介するたびXのコメント欄には「センスがすごい」「ガンプラ以上の完成度」といった褒め言葉が大量に並ぶ。人並み以上の“光るもの”を持っているのは確かなのだろう。

では、セイレイさんはなぜレゴブロッックに興味を持ったのだろうか。きっかけは5年前にこどもが生まれたことにあるという。

「それまで大型バイクやロードバイクを趣味にしていて、完全にアウトドア派だったんですよね。ロードバイクに熱中している時期は、シーズンに向けて体重を10キロ落とすといったことも平気でやっていました。

でも、子どもが生まれるとさすがにそんなこともできなくなるじゃないですか(笑)。新しい趣味を見つけようといろいろ調べていたら、ふとレゴに目が留まりまして。将来的に子供も一緒に楽しめるし、いいんじゃないかなと思ったんです」

昔からロボットが好きだったことから、当初はレゴでオリジナルロボットを組み立てていたという。せっかくならとXアカウントも開設し、作品を日々投稿していた。現在のフォロワー数は約1万8000人だが、当時は400人程度だったという。

そんなセイレイさんにある日、転機が訪れる。

レゴ作品でいくら儲けている?

「Xのタイムラインに、YOGOさん(ヨゴ、@yg45yg)という有名な方がレゴで作った『ガンダム エアリアル』が流れてきたんです。それがとにかくカッコよくて。『自分の部屋にも飾りたい!』と思って、見よう見まねで私もレゴでエアリアルを作り始めたんです」

しかし現実はそう甘くなかった。あまりの構造の複雑さに、頭部しか完成させることができなかったのだ。ただ、自身のXでその旨を報告すると、YOGOさんから「そこまで形にできたなら全身も作れるはず」と制作を後押しするコメントが届いたという。

「YOGOさんにとっては何気ない一言だったのかもしれません。でも、私はその言葉がとても嬉しかったんです。『だったらもう一度やってみよう』と挑戦する気になれました」

そしてその後、延べ300時間を費やし、ついにセイレイさんのエアリアルが完成する。Xに作品の画像を投稿すると、驚くほどの反響が返ってきた。あっという間に1万2000いいねを獲得し、フォロワー数も400人から3000人に爆増したのだ。

レゴでガンダムを組み立てる楽しさに目覚めたセイレイさんは、現在さまざまなMS制作に取り組んでいる。作品を売って欲しいという声も多いのでは?

「ありがたいことに、そういった反応もけっこうありますね。ただうれしい反面、一番困るコメントかもしれません。レゴで作ったガンダムを勝手に売ったら、いろいろなところから怒られちゃうので(笑)。だから自分のレゴ作品を売って儲けている、ということは一切ないんです」

ちなみに、新たな趣味を作るきっかけを作ったお子さんとは、レゴで遊んでいるのだろうか。

「はい、一緒に遊んでいますよ!おかげさまでもう5歳です。レゴで遊んでから寝るのが日課になっていて、休日だと朝5時からレゴで遊んでいることもあるんです。もしかしたら私以上のガンダムを作る日も近いかもしれませんね」

現在、2013年にガンプラ世界チャンピオンに輝いたシュンさん(@shun_m47)とのコラボ作品を準備中。制作しているのは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する「νガンダム」だ。セイレイさん曰く、「これまでの技術の集大成になる」とのこと。

完成は年内を予定しているという。

【詳しくはこちら】“ガンプラ”以上にガンダムだ…「これ本当にレゴでつくったの?」制作費30万円の「リアルガンダムの正体」

“ガンプラ”以上にガンダムだ…「これ本当にレゴでつくったの?」制作費30万円の「リアルガンダムの正体」