『相棒』初回拡大SPに加藤清史郎が凱旋!“少年A”が“警察官A”に成長<コメントあり>

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2000年にスペシャルドラマとして誕生して以来、濃密で骨太なミステリーを次々と世に送り出し、“国民的ドラマ”という地位を揺るぎないものにした『相棒』。

今年は杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)の“黄金コンビ”にとって、通算10シーズン目という大きな節目を迎える。

そんな特命係がさらなる高みを目指す最新シリーズ『season23』の幕開けを飾る初回拡大スペシャルの放送が、10月16日(水)に決定した。

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情報解禁では過去シーズンの人物が再登場することが予告され、ファンの間でいったい誰なのか予想合戦が盛り上がっていたが、このほどついにゲストキャストを発表。

メインゲストとして登場するのはシリーズに過去2回出演し、『相棒』と“縁”の深い俳優・加藤清史郎。

『season16』第19話「少年A」(2018年3月放送)で演じた“少年A”=高田創(たかだ・はじめ)として、再び作品世界に戻ってくる。

同じキャラクターが成長を遂げて帰ってくる物語を描くことができるのは、長くシリーズが続いてきた『相棒』だからこそ成し得る境地だ。

◆“少年A”から“警察官A”へ!

初回拡大スペシャルで右京たちが挑むのは、元・国家公安委員長・芦屋満(並樹史朗)が刺殺された事件。

臨場した右京と薫は現場に残された手掛かりを追うなか、思いがけない人物と遭遇する。

それは数年前、右京が事件を通じて知り合った高田創(加藤清史郎)という青年で、彼は右京も知らぬ間に警察官になっていたことが判明する。

かつては母親からネグレクトを受けていた“無戸籍児”で、弟妹を守るため社会の片隅で必死にもがき、特命係にも嘘をつきまくっていた創。

「少年A」では、そんな創が右京によって救われ、弟とともに児童保護施設に入所したところまでが描かれていた。

初回スペシャルでは、彼がなぜ警察官を志したのかが明らかになるとともに、特命係とともに事件の真相を追うという衝撃の展開に。

しかし、その直後、日本を揺るがす重大事件がぼっ発。右京たちはおよそ150年前、警察黎明期に起きた暗殺事件をなぞるかのような深刻な事態へと巻き込まれていくことに。

◆オファーには驚きと感慨

加藤の『相棒』初出演は、12歳のとき。『season11』第18話「BIRTHDAY」(2013年3月放送)で両親思いの健気な少年を演じ、大きな感動をもたらした。

その5年後、『season16』の「少年A」では前述のとおり、無戸籍の少年という難役を見事に演じ切った。

そして今回、「少年A」に続き、高田創役で初回拡大スペシャルのオファーを受けたときは「“まさかこんなことが起きるとは!”と驚きました。創の歩んだ人生を考えると、とても感慨深かったです」と、驚きとともに役柄の人生に思いをめぐらせたことを告白。

実は、幼いころから『相棒』シリーズが大好きだったという加藤。前作ではクランクアップ後に思いがけずダウンしてしまうほど、並々ならぬ熱意を注いで撮影に挑んだとか。

今回、再び創を演じるにあたっては、「彼はなぜ警察官になるという決意に至ったのか、そして彼の“生き抜いてやる”というギラギラした強さは警察官になってどこに向くのかをものすごく考えました」と、人物の本質を熟考。

「演じたキャラクターの未来を想像することはあっても、想像を実際に構築してその人物を生きるのはなかなかない経験。大変でしたが、とても楽しかったです」と、さらに真摯に演技に打ち込んだことを明かした。

また、過去の出演時、加藤は右京×甲斐享(成宮寛貴)、右京×冠城亘(反町隆史)というそれぞれの相棒コンビと共演したが、右京×薫コンビとは今回が初対面。

加藤は「右京さんと薫さんは僕が幼いころ見ていた『相棒』の黄金コンビですので、お2人の会話に自分が加わるのが信じられず、我に返るたびに“怖っ!”と震えていました(笑)。あらためて“相棒”が好きだ!と実感させられる貴重な日々でした」と、作品への愛をにじませながら水谷×寺脇との撮影を振り返った。

さらに、加藤は初回拡大スペシャルについて「右京さんと薫さんの“相棒感”が強く描かれ、そこに警察官になった創が関わることで何が起こるのかがみどころのひとつです」とアピール。

加えて、「少年Aだった彼がなぜ警察官Aになったのか…成長した創にも注目していただけたらうれしいです」と視聴者に向けて熱く呼びかけている。

“警察官A”となって再び“相棒ワールド”に帰ってきた、加藤清史郎演じる高田創。彼は右京に出会い、どう変わったのか――成長を遂げて帰ってきた創の“今”に注目だ。

また、初回拡大スペシャルには加藤のほかにも、でんでんや柴俊夫が政界の要人を演じるなど豪華ゲストが集結し、新シーズンの開幕にふさわしい壮大かつ謎深きミステリーを作り上げている。

◆加藤清史郎(高田創・役)コメント(全文)

――『season16』のエピソード「少年A」の高田創役で再出演されますが、オファーを受けたときのお気持ちを教えてください。

“まさかこんなことが起きるとは!”と驚きました。実は、「少年A」の現場で“創が将来、警察官を目指したらおもしろいね”とスタッフの方々とお話していたのですが、それが叶う瞬間が現実に来るなんて思いもしませんでした。創の歩んだ人生を考えると、とても感慨深かったです。

――加藤さんにとって『相棒』シリーズはどのような存在ですか?

本当に特別な作品です。僕が生まれた翌年の2002年から『season1』が始まったのですが、再放送も含めて幼い頃から祖母と一緒に見てきたため、祖母との思い出を回顧したとき最初に浮かぶのが『相棒』です。幼い頃は警察官が将来の夢のひとつでしたし、役者としていつかは出たいと願っていた作品ですので、俳優としてもひとりの子どもとしても憧れの世界でした。

――2018年の「少年A」放送時、周囲の反響はいかがでしたか?

「BIRTHDAY」とはまた違う重みのある作品で、たくさんの方に「見たよ!」と声をかけていただきました。「考えさせられた」という声もあれば、緻密なミステリーだったので「もう一回見たい」という声も多く、役者冥利に尽きるというか、この仕事のおもしろさを感じさせてくれた作品でした。

当時、僕はイギリス留学中だったので、撮影のために一時帰国して1週間、朝から晩まで一心不乱にガーッと撮ったんです。オールアップした日の夜中の便でロンドンに帰ったのですが、大好きな『相棒』の世界に一気に没入してオーバーヒートしたからなのか、ギラギラした創の心情を引きずっていたからなのか、帰りの機内は12時間一睡もできず、その後、熱を出して寝込みました。そんな大変な思いをして撮った作品だったので、反響はうれしかったです。

――高田創を再び演じるにあたって考えたことを教えてください。

前作の後、彼はなぜ警察官になるという決意に至ったのか、警察学校ではどう過ごし、交番でどう勤務してきたのか、そして彼の“絶対に生き抜いてやる”というギラギラした強さやバイタリティーが警察官になってどこに向くのかをものすごく考えました。

また、撮影前には久々に「少年A」を見返したほか、創の原点を常に感じていたくて当時の脚本を今回の現場に持ちこみました。セリフのほかに“ト書き”まで久しぶりに読み返して、そういえば前作ではきちんと教育を受けていない創を表現するためにペンやスプーンの持ち方を変えたんだっけ…と思い出し、今回も聴き込みの場面でペンを手にしているのですが、実は正しく持っていないんです。また、建前の敬語は使えるだろうけど、本音が見えたときにどれくらい荒っぽさが出るのか、なども考えました。

今回、創の右京さんへの憧れも色濃く描かれますが、彼は憧れを素直に表に出すことはないだろうから、内に秘めたそれをどれほどの熱量で出してよいのかもかなり悩みました。演じたキャラクターの未来を想像することはあっても、想像を実際に構築してそこから数年経ったその人物を生きるのはなかなかない経験。大変でしたが、とても楽しかったです。

――水谷豊さん、寺脇康文さんと共演されていかがでしたか?

水谷さんは過去に僕が出演したときのこともしっかり覚えていてくださって、「あのときはこうだったね」とお話ししてくださり、本当に偉大な方だとあらためて感じました。寺脇さんも大きな包容力で僕をガッと現場の輪の中に入れてくださいました。お2方は撮影の合間も気さくにお話してくださり、3人でお昼を食べたことも…。僕にとってお2人は憧れのスーパースターなので、単純にうれしかったです。

今回、右京さんは「少年A」のときとはまた違う、創への愛情が伝わってくるような表情を浮かべる瞬間があって、僕としてはとてもうれしかったです。また、右京さんと薫さんは僕が幼いころ見ていた黄金コンビですので、お2人の会話に自分が入るのが信じられず、我に返るたびに「怖っ!」と震えていました(笑)。今回、念願の特命係の部屋にもお邪魔しましたが、カメラ前から離れると「あれ?僕、スタジオツアーに来たんだっけ?」と錯覚しそうになるほど不思議な感覚で…あらためて“『相棒』が好きだ!”と実感させられる貴重な日々でした。

――視聴者のみなさまにメッセージをお願いします!

「警察官A」は最新シーズンの幕開けにふさわしいストーリーだと思います。右京さんと薫さんの“相棒感”が強く描かれ、そこに警察官になった創が関わることで何が起こるのかがみどころのひとつです。また、少年Aだった彼がなぜ警察官Aになったのか。変わったところ、変わらずにあり続けるところ、両方が入り交じって成長した創にも注目していただけたらうれしいです。