【鳴尾浜30年を振り返る】99年8月9日 ダリル・メイの“ビラ配り”超異例の行動

　1994年10月に完成し「平成の虎の穴」として多くの猛虎戦士を育てる礎となった兵庫県西宮市にある鳴尾浜の阪神2軍施設は今季をもって終わりを迎え、来年3月には同県尼崎市に完成する新施設に移転する。汗、涙、感動など数々のドラマを生んだ鳴尾浜の30年を振り返る。

　審判への暴行、暴言による2週間の出場停止処分が明けても2軍調整が続くことに不満を抱くダリル・メイが、1999年8月9日の鳴尾浜での練習の合間に野村監督への批判や球団が退団を認めない旨を英文でつづった告白文を報道陣に配布。「野村監督とタイガースの野球が好きじゃないことをファンに知ってほしかった」と2年目を迎えた左腕は超異例の行動を説明した。　

　その後、球団から年俸2カ月分に相当する1200万円の罰金とシーズン終了までの謹慎という厳罰処分を科され帰国。そのまま退団した。

　翌2000年は宿敵・巨人と契約して12勝（7敗）。リーグ優勝と日本一に貢献した。野村阪神にとっては、なんとも“メイ惑”な助っ人だった。