イスラエルの国旗

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イスラエルが親イラン武装組織ヒズボラの拠点であるレバノン南部に大々的な爆撃を加えて最悪の人命被害が出た。

イスラエル国防軍の攻撃によってレバノンで一日で1600人以上の死傷者が発生したが、ヒズボラもこれに対応してイスラエルにロケット数十発を発射したことで、イスラエル国防軍の地上軍投入の可能性もささやかれる雰囲気だ。

23日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)やAFP通信など外信によると、イスラエル国防軍のダニエル・ハガリ報道官はこの日、一日で650回の空爆でレバノン各地でヒズボラの目標物1300カ所余りを打撃したと明らかにした。

ハガリ報道官は攻撃対象に「ヒズボラの巡航ミサイル、中・短距離ロケット、無人機(ドローン)が保管された施設」も含まれたと説明した。

イスラエル国防軍はヒズボラ高位指揮官アリ・カラキ氏を殺害するために、この日午後レバノン首都ベイルートに再度標的空爆を行った。

20日にヒズボラの精鋭「ラドワン部隊」指揮官イブラヒム・アキル氏らを殺害するためにベイルート南部郊外周辺に空爆を加えてから4日ぶりだ。

ただしカラキ氏の生死についてはまだ明らかになっていない。

イスラエル国防軍はヒズボラの軍事施設などを攻撃したと主張したが、レバノンでは民間人死傷者が続出した。

レバノン保健省はこの日一日で子ども35人と女性58人を含めて少なくとも492人が死亡したと明らかにした。負傷者は少なくとも1654人と集計された。このような人命被害は2006年にイスラエルとヒズボラの間で戦争が勃発して以来、最大規模だとNYTは伝えた。

レバノン保健省高位関係者はイスラエル国防軍の空爆に「攻撃を受けた地域から数千人が避難した」とし17日のヒズボラの無電呼出器(ポケットベル)爆発事件以降、「一週間も経たないうちにレバノンで約5000人が負傷した」と強調した。

このようにレバノンで最悪の人命被害が発生したにもかかわらず、イスラエルはヒズボラに対する攻撃を継続するという意思を明らかにした。

イスラエルのネタニヤフ首相はこの日、ヒズボラに対する攻撃強化によって「複雑な日々」に直面するだろうとし、作戦が展開する間、国民は団結してほしいと訴えた。

また、ネタニヤフ首相は別途の放送演説でレバノンの住民に対して「この戦争はヒズボラとの戦いだ」とし「避難警告を深刻に受け止めろ」と話した。

イスラエルがレバノンに地上軍を投じる可能性も議論されている。

イスラエル国防軍北部司令官のオリ・ゴディン氏はこれに先立ち、「我々はできるだけはやく(レバノン国境の)安保状況を変えようと決心した」とし「指揮官と兵力はいかなる任務が与えられても最高の準備体制を整えている」と話して地上軍投入を示唆したことがある。

イスラエルの激しい攻撃にヒズボラも反撃した。

ヒズボラは声明で「イスラエル国防軍の空襲に対する対応として、イスラエル北部ハイファ近隣の防衛産業業者ラファエルをはじめとする3カ所にロケット砲を発射した」と明らかにした。

しかしイスラエルの具体的な被害状況は報告されていないと外信は伝えた。

イスラエル国防軍はユダヤ人定着村のあるヨルダン川西岸地区北部とイスラエル北部都市ハイファ一帯に空襲警報が発令されたと伝えた。

ヒズボラの背後であるイランはイスラエルの空爆を「狂っている」として「シオニストの新たな冒険が危険な結果を招くだろう」と警告した。

ハマスもこの日声明を出してイスラエル国防軍の攻撃を「戦争犯罪」と称し、ヒズボラとレバノンと連帯すると声を上げた。

米国は状況を鋭意注視して中東地域に兵力を追加で派兵すると発表したが、正確な規模は明らかにしなかった。

両側間の衝突は17〜18日レバノンでヒズボラの通信手段である無電呼出器と無線機数千台が同時多発的に爆発して数千人の死傷者が発生した後、激化している。

昨年10月7日ハマスとの戦争勃発以降、イスラエルはヒズボラとも12カ月間交戦している。

ヒズボラが報復を明らかにすると、イスラエルは20日首都ベイルートに一足早く標的空爆を加えてイブラヒム・アキル氏らヒズボラの軍事作戦を主導する指揮官を殺害し、その後、南部と東部で大規模な空爆を継続している。