サトノレーヴの血統表

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 「スプリンターズS・G1」(29日、中山)

 13年スプリンターズSは2番人気のハクサンムーンが逃げ込みを図るところを、ゴール寸前で1番人気ロードカナロアが見事にとらえて快勝。3着に15番人気のマヤノリュウジンが絡んだのには驚いたが、勝ちタイム1分7秒2を含めて質の高い名勝負だった。

 時を経て、今年はハクサンムーンから10歳下の弟サトノレーヴが参戦。その父がロードカナロアというところにやや複雑な心境を抱くが、今夏の北海道戦で見せたパフォーマンスは素晴らしく、5歳にして本格化した印象。G3を連勝し、楽しみなG1挑戦を迎えた。

 母系はかなり奥深く、パワーの源は6代母ミスブゼンまでさかのぼる。この系統からは88年オークスを10番人気で制したコスモドリーム、同年の阪神3歳S(現・阪神JF)を5番人気で逃げ切ったラッキーゲランが出ている。また、ヤマフリアルは10番人気の89年エリザベス女王杯で2着に激走。大波乱の片棒を担いだ。代を重ねて短距離色が濃くなったが、母系に流れる底力は十分だ。

 父ロードカナロア×母父サクラバクシンオーは、昨年の高松宮記念を制したファストフォースと同配合。ともに、牝系には名馬マルゼンスキーの血が入っており、日本競馬が誇るスプリント界の結晶と言える配合だ。その名の通り、兄が果たせなかったG1制覇の“夢”をかなえてほしい。