30日放送のNHK総合の音楽番組「tiny desk concerts JAPAN」に出演するB'zの稲葉浩志(中央)

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 B'zの稲葉浩志が、30日放送のNHK総合の音楽番組「tiny desk concerts JAPAN」(月曜・後11時)に出演することが23日、発表された。

 昼下がりの渋谷、NHKのオフィスの一角がステージへと早変わりした。静寂に包まれた中、稲葉は丸イスに腰掛けると、マイクなしで歌声を響かせた。

 「オフィス(で歌う)と聞いていたんですけど、昨日、下見に来たら、ガチでオフィスだなと(笑い)」

 約3メートル四方(6帖程度)というコンパクトな空間。わずか2メートル先の観客の局員から、熱い視線が注がれた。「いろいろな会場でやってきましたけど、まだこんなスタイルがあったとは」。曲を重ねるごとにボルテージも上がり、「すごくステキな時間。他の(歌い手の)人にやらせないでください」とちゃめっ気たっぷりに話した。

 同番組は、アメリカの公共放送NPR(National Public Radio)が2008年にネット展開し、ブームを巻き起こした音楽コンテンツの日本版。あるのは小さな机と楽器だけ。普段と異なる環境で、音楽に“新しい息吹を吹き込む”パフォーマンスが話題を呼んでいる。

 日本版は3月にNHK WORLD JAPANでスタート(初回は藤井風)。30日から総合でのオンエアが決まり、稲葉はその第1弾アーティストになる。

 「気持ち良かったですね。いつもと違うことが面白くて、本番も楽しみながらやらせて頂きました」。自身の夏のソロツアーに帯同したバンドメンバーを従え、「眠れないのは誰のせい」「羽」などをパフォーマンス。「各楽器(の音)がよく聞こえました。すごくクリアにいろいろな音が聞こえて、それが絶妙。シンプルな空間を作り上げるために、マイクの向き、レコーディングの手法だったり、ものすごい手の込んだことがなされていて、それが感動的でした」と感謝した。

 NHK WORLD JAPAN(国際放送)では30日前0時10分、前5時10分、後0時半、後6時半に放送予定。世界の音楽ファンに向けて「日本でこういう音楽をやっている人がいるんだと、たまたま見てもらって、面白がってもえれば最高ですね」と願った。(加茂 伸太郎)