宝塚歌劇星組トップスター・の礼真琴(「宝塚おとめ」より)

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 宝塚歌劇団は23日、星組トップスター・礼真琴(れい・まこと)が来年8月10日付で退団すると発表した。

 サヨナラ公演は「阿修羅城の瞳」「エスペラント!」(兵庫・宝塚大劇場=2025年4月19日〜6月1日、東京宝塚劇場=同6月28日〜8月10日)。礼は24日に大阪市内で会見する。

 礼は東京都江戸川区出身。第95期の首席入団者で2009年4月に「Amour それは…」で初舞台を踏んだ。星組一筋。19年10月に舞空瞳と星組トップコンビに就任。退団時で在籍歴は16年4か月になる。

 同期には前花組トップ・柚香光(ゆずか・れい)、前月組トップ・月城かなと、次期雪組トップ・朝美絢(あさみ・じゅん)のほか、トップ娘役でも元月組・愛希(まなき)れいか、元宙組・実咲凜音(みさき・りおん)、元星組・妃海風(ひなみ・ふう)がいる。

 歌劇団の全5組(専科除く)の現在のトップスターの中で、キャリアは上から数えて4番目だが、トップ在任歴は最長。大劇場9作での退団となる。ベビーフェイスだが、悪役もこなせる重低音ボイスの演技、切れ切れのダンス、パワフルで表現豊かな歌唱力と三拍子そろい、観客も呼べる名実とも令和の“トップ・オブ・トップ”といえるスターで、ベテラン演出家が「完璧過ぎる。80%(の力)でいい」と評した逸話もある。

 昨年は8月末から約2か月、病気療養や負傷が理由ではなく、コンディションの調整のため、休養したことも話題になった。

 前日の22日には兵庫・宝塚大劇場で、約5年半、コンビを組んできたトップ娘役・舞空瞳の本拠地千秋楽を終えたばかり。舞空の12月の退団後は、当面後任を置かないことが発表済みで、礼は相手役不在での卒業となる。同様のケースは近年では、17年に実咲の退団後、相手役不在で宙組トップ・朝夏まなとが退団した例がある。

 礼はサヨナラ公演の前に、現役生では花組トップ・真矢みき(現在・真矢ミキ)、星組トップで礼の憧れだった柚希礼音(ゆずき・れおん)以来3人目となる東京・日本武道館でのコンサート「ANTHEM−アンセム−」を来年1月18〜21日に行う。人気者・礼の退団で、創立111周年の歌劇団の風景は大きく変わりそうだ。