「そのうち店に苦情が入ったんです。ゲームをしているのに、ナンパしてくる女性が店内をうろついていて迷惑だと。これで店長が『出入り禁止にする』と言ったら、ナンパはしなくなりましたけどね」

【写真を見る】16歳少年に“みだらな行為”をして逮捕…「男漁りをやめられなかった」38歳シングルマザー

 ついには息子と同世代の少年とみだらな行為をして逮捕…。2人の息子を持つ、38歳のシングルマザーはなぜ邪な気持ちを抑えられなかったのか? 2005年岐阜県で起きた事件を、ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 女の性犯罪事件簿』(鉄人社)より一部抜粋してお届け。なお本書の登場人物はすべて仮名であり、情報は初出誌掲載当時のものである。(全2回の1回目/後編を読む)


写真はイメージ ©getty

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16歳の少年とみだらな行為で逮捕

 岐阜県羽島市在住の岡本七恵(38)という女が同県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕された。調べでは、携帯電話の出会い系サイトで知り合った高校2年のA君(16)を自宅に誘い込み、みだらな行為をした疑い。とりあえず警察広報で確認できたのは、逮捕事実と住所、名前、年齢、職業のみ。

「あとは自由に取材してください」というのが、警察のスタンスだ。こういう場合、県警詰めの新聞記者のリークに頼ることになってしまう。だからこそ、新聞記者の人脈は宝のようなものだ。

「最初はA君も『18歳』とウソをついていたようなんですが、会う直前に『本当は16歳なんだけど、いいですか?』と聞くと、七恵が『それでもいい』と言うので、会うことにしたそうです。初めて会った日に肉体関係を持ったそうですが、カーセックスだったそうですよ。それも自宅マンションの駐車場に止めた車の中というのだから呆れます」

 七恵は高校1年の長男(16)と中学1年の次男(13)と3人で暮らしていた。10年以上前に夫とは離婚。スナックのホステスをしていた時期もあるというが、事件当時は無職で生活保護を受けていた。

「その後も2人はたびたび会っていたというんですが、彼女のマンションには部屋が2つしかないので、彼女は小遣いを与えるなどして息子2人を家の外に追い出して、その間にA君とセックスしていたそうです」

 これだけでも呆れるが、話はここからが本番である。

「七恵はA君と片時も離れたくなくなり、『家出しな。一緒に暮らそう』と誘った。もともとA君は真面目なタイプだが、受験をめぐって過干渉な親と衝突するようになり、家にいるのがイヤになっていたところだった。A君は『同棲しないと別れる』と七恵に言われていたこともあり、着替えなどをバッグに詰めて、そのまま家出。七恵の長男、次男を含めた4人での共同生活を18日間も続けていたというんです」

 最初の頃は息子2人がいないときを見計らって行為に及んでいたが、「私の彼氏だから」と説明し、そのうち息子2人がいても別の部屋でやっていたらしい。しかも、避妊は一切しなかった。

 七恵の自宅マンション周辺で取材をかけると、悪評が次々と出てきた。

「彼女の男漁りは今回に限ったことではない。彼女はミニスカートをはいたギャル風の格好で、次から次へと若い男を部屋に引っ張り込んでいました。4年ほど前は一回りも年下のパチンコ店員を引きずり込んで、一緒に暮らしていました。その男と自分の息子たちと一緒に風呂に入っているなんて話をあけすけにしていました」

 子供たちの関連のPTA関係者はもっと辛辣だ。

「PTAでは盛り場のパトロールをするのですが、岡本さんはあの歳になっても近所のゲームセンターやカラオケ店、ビデオ店などを頻繁に出入りしていた。地元の不良たちの間では顔だったようで、『姉さん』と呼ばれていました。2人の子供たちはそんな母の行状に振り回されたのか、次第に不登校になっていきました。いつも家の外で時間を潰し、ウロウロしている姿を見かけました。一時は岐阜県内の祖父母宅に預けられていたという話を聞いたこともあります」

 そんなどうしようもない母親だったのだ。そうした行動は近所のゲームセンターでも見受けられた。取材をかけると、同店店長は「問題の少年と出入りしていたのは事実ですが、他のことはこちらでは把握しておりません」という返事だった。だが、同店でアルバイトをしている従業員の間では有名な話だった。

「タダでいいから」と誘ってくることも…

「若い男性客や店員を見つけると、『タダでいいから、エッチしない?』と誘ってくるんですよ。中年客であっても、金を持っていそうなら『私を買って』と交渉していた。そのうち店に苦情が入ったんです。ゲームをしているのに、ナンパしてくる女性が店内をうろついていて迷惑だと。これで店長が『出入り禁止にする』と言ったら、ナンパはしなくなりましたけどね」

 マトモなことを言っていたのは、A君と七恵が行きつけにしていた近所の商店主だけだった。

「うちの店にはしょっちゅう買い物に来てくれました。岡本さんは少年に合わせようと思ったのか、ファッションもミニスカートにへそ出しルックでした。2人で手をつないでやって来て、恋人のように仲良くお菓子を選んだり、ラブラブな雰囲気でしたよ」

 七恵を古くから知っている知人は「親もさじを投げていた」とこんな話を話す。

「『うちの娘はシンナーばかりやっていて、どうしようもない』と嘆いていました。事実、10年前にマンションに引っ越してきた頃から、シンナーを吸っている姿は何度も目撃しましたし、歯はボロボロでした。彼女は駐車場の車の中で、よくダッシュボードに両足を乗せて携帯をかけていました。そうやって挑発的なポーズで下着を見せつけるんですよ。『いい加減な生活はやめて、誰かと結婚したら?』と言うと、『結婚したら生活保護がもらえなくなるからイヤ』と言っていました」

「お前の子供を妊娠した。50万円払え」地元の不良たちからの呼び名は“姉さん”…ヤンチャな38歳シングルマザーに手を出してしまった「16歳少年の後悔」(2005年の事件)〉へ続く

(諸岡 宏樹/Webオリジナル(外部転載))