「もぐもぐタイム」が話題になった北口榛花選手 /(C)JMPA

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8月11日(現地時間)に閉幕したパリ五輪で大活躍をした日本選手団。20個の金メダルは、海外で行われた五輪では過去最多に。

そんな金メダリストたちが手にするのは栄誉だけではない。

「パリ五輪からWA(世界陸連)が陸上の金メダル獲得選手に賞金5万痔ドル(約780万円)を贈ることを発表。

女子やり投げの金メダリスト北口選手はその賞金に加え、JOC(日本オリンピック委員会)から金メダリストに一律で贈られる報奨金(500万円)が授与されます。また出場競技によって連盟や協会からも報奨金が授与されます。

陸上、新競技のブレイキンは『金』で300万円ですが、柔道や水泳、スケートボードは報奨金が0円。さらに所属先企業からの臨時ボーナスが出る選手も少なくありませんが、学生ならばこういったボーナスはありません。同じ金メダリストでも報奨金には格差が存在するのです」(スポーツ紙記者)

金メダリストたちを“企業の顔”として起用すべく広告業界も熱視線を送っている。

「五輪期間中から、金メダリストたちへのCMオファーを巡って争奪戦が繰り広げられています。健康的でさわやかなアスリートのCM価値は高まる一方ですが、スポンサーや代理店にとっても『金』の重みはひとしお。金メダリストをCMに起用すれば、自社の商品を一流であるとアピールすることができるのです」

と語るのはスポーツ選手のキャスティングに詳しい広告関係者だ。

そこで本誌は、報奨金とともに金メダリストたちに秋波を送っている複数の広告代理店関係者への取材をもとに最新ギャラを調べてみた。

北口榛花選手には製菓メーカーが食指を

広告業界で今もっとも注目を集めているのが陸上女子やり投げで女王となった北口榛花選手(26)。

「世界で通用しないといわれた陸上フィールド種目で日本女子初の快挙は、ほかの金メダルとは価値が違います。

また彼女には“強さ”だけでなく“華やかさ”も兼ね備えています。

競技の合間にうつぶせ姿でカステラをもぐもぐ食べていましたが、北口選手は大のスイーツ好き。父親がパティシエということもあり、おいしそうにお菓子を食べる姿を期待する製菓メーカーが食指を動かしてきそう。

また英語、チェコ語を流ちょうに話すことから英会話教室を展開する企業も注目。

ギャラはNHK大河ドラマ『光る君へ』で主演している吉高由里子(36)クラスの年間5千万円(推定)でもおかしくありません」(広告代理店・A氏)

五輪2連覇を成し遂げた柔道の阿部一二三選手(27)のオファー元には、一流企業が名を連ねる。

「笑顔もさわやかなイケメンで、すでに大手企業の広告塔として活躍していますが、2大会連続で勝ち続けた一二三選手を起用することで、企業にとっては自社製品の安定感、安心感をアピールすることも。

妹の詩選手とのダブル金はかないませんでしたが、妹をいたわる姿が財布のひもを握る女性たちの心をつかんでおり、家庭用洗剤や家電製品といった家族向けのCMに兄妹そろって共演すれば8千万円ほどにギャラが跳ね上がっても高くはないでしょう」(広告代理店・B氏)

体操男子で団体と個人総合、種目別鉄棒で金、種目別平行棒の銅と、4つのメダルを獲得した岡慎之助選手(20)にも広告業界が期待を寄せている。

「ジュニア時代に活躍し“日本の宝”とまでいわれたのに、2年前に十字じん帯を断裂して全治8カ月の大けがをして、一時期パリ五輪は絶望視されていました。

そんな岡選手が、着地を一歩でも踏み出すと金を逃すようなプレッシャーをはねのけ復活したのは見事。団体の大逆転の立役者としても“商品価値”がアップ。先輩の内村航平レベルの素質があると見られています。

大学生なのでCMに起用されるのは先になりますが、次回のロス五輪で連覇も期待されており、抜群の肉体美に健康食品を扱う企業だけでなく、逆境に負けずに立ち向かう企業姿勢をアピールしたい会社が将来的にオファーを出すでしょう」(前出・A氏)

期待株を起用して話題性を狙う企業が注目しているのが、スケボー女子で、世界の頂点に立った吉沢恋選手(14)。2千万円と現役中学生にしてはかなりの高額設定。

「新しいチャレンジをする企業にとって、若者に人気のあるスケートボードの金メダリストを起用することで話題性やブレーク感の浸透が期待できます。

吉沢選手は、男子ストリートで2連覇を成し遂げた堀米雄斗選手に続いて、今後グローバルな活躍が期待されます。

すでに、ファッション業界やスポーツメーカーがインフルエンサーとして将来性を求めています。また世界に向けて自社製品をPRしたいベンチャー企業などが広告塔にとターゲットに定めています」(広告代理店・C氏)

金メダリストたちの戦いは、競技場以外でも激しそうだ──。