ファイナルを終えて会見するジュリア

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 「プロレス・マリーゴールド」(19日、後楽園ホール)

 米WWE移籍が確実視されているエースのジュリア(30)が、メインイベントのカウントダウンFINALで、スターダム時代は同じユニットだった桜井麻衣(33)と、昨年のシンデレラトーナメント以来2度目の一騎打ちを行った。

 試合は桜井のタイガースープレックスホールドをジュリアがカウント2で返したところで20分、桜井の回転十字固めをジュリアがカウント2で返したところで25分が経過。そこからジュリアがランニングニーを皮切りに怒濤(どとう)の攻勢に出て26分46秒、ノーザンライトボムからの片エビ固めで3カウントを奪った。

 ジュリアは試合が決まってから桜井と大げんかしたことを明かし(桜井は後輩の指導法の違いが理由だと説明)て「自我を持って、プロレスラー桜井麻衣がやっと誕生した」とたたえ、「プロレスラーは全部と戦わなきゃいけないし、ウチらは嫌われてナンボだから。私は桜井に嫌われてうれしかった。メインイベンターになるなら、その気持ちをずっと持っとけ。それが私からのメッセージだ」と語りかけた。

 桜井は「ジュリアはこんなにたくさんのものを背負って戦って来たんだなって実感できました。私はジュリアを倒すためにマリーゴールドに来たから、勝てなかったことがとても悔しい」と涙声になり、「でも今日戦えて、ジュリアに出会えてホントに良かった。私はジュリアが好きで好きでたまらない諸君の一員で、ずっとあなたの味方です」と応えた。

 ジュリアは25日・新木場大会で「ボーナストラック」として所属選手との一本がけを行うが、デビューしたアイスリボンで師事した藤本つかさにも「1分でもいい、リングで語り合うチャンスをください」と伝言。米国行きに向けて「どんなに苦しいことがあっても、今まで通りしがみついて張り付いて負けない。絶対にもがいてあがいててっぺん取って来ます。私の夢は日本のプロレスをもっともっと盛り上げること、それを実現させる女に必ずなります。絶対日本に帰ってくるので、また必ず会いましょう。これが最後じゃないから」とメッセージを発した。

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 セミファイナルでは、青野未来が天麗皇希の挑戦を受けてユナイテッド・ナショナル王座の初防衛戦に臨んだ。

 170センチの長身から落とすバックドロップや、高いブリッジで極めるダブルチキンウイング、ダイビングボディープレスなどの猛攻を受けたが、バックドロップを浴びせ倒すと右ハイキック、膝蹴り、バズソーキックとたたみかけて21分、スタイルズクラッシュからのエビ固めでフォール勝ちした。

 青野は「皇希はベルトにはまだまだ遠い。でもあなたの成長はしっかり感じた。私も必死で守った。でももっともっと強くならないと。あなたはマリーゴールドの未来のエースになるんじゃないの?みんなからの期待をしっかり背負え!」とゲキ。次期挑戦者には桜井麻衣と後藤智香を「どちらかとやりたい」と指名した。

 マリーゴールド初黒星を喫した天麗は「必ずあなたからその白いベルトを奪ってやるから、それまでずっと大事に取っとけ」と雪辱を誓い、青野の求めた握手をはねのけた。

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 シードリングの23日・後楽園ホール大会で引退する中島安里紗がマリーゴールド・ワールド王者のSareeeと組んで、シードリングの社長だった高橋奈七永、後藤智香組と対戦。4人の意地がスパークした熱闘は15分43秒、Sareeeがアームバーで後藤を仕留めた。

 試合後、高橋は中島に「中島!マリーゴールドのリングに上がってくれて本当にありがとう!」と握手を求めたが、中島は一礼すると中指を立てて退場。中島はバックステージで「見た人たちが答えを探したらいい。この試合のことを言葉にするつもりはもうない」とコメントした。

 そこに高橋が花束を持って現れたが、中島は花束に罪はないとして受け取ったものの、「こういうきれいごとにしようとするところが嫌いなんだよ!」とバッサリ。Sareeeは高橋に「おまえがこのベルトに一番近いんじゃないか?さっさと名乗り上げて来いよ」と挑戦を求めた。高橋は中島を「やめちゃうのはもったいない」と惜しみつつも、「二度と戻ってくんじゃねえぞ」と毒づいていた。