レラト・ドラミニ(左奥)の公開練習を視察した亀田史郎トレーナー

写真拡大

 「ボクシング・IBF世界フェザー級指名挑戦者決定戦」(24日、大阪・大和アリーナ)

 IBF3位の亀田和毅(TMK)と昨年10月以来、10カ月ぶりに再戦する2位のレラト・ドラミニ(南アフリカ)が19日、大阪府内のジムで公開練習と記者会見を行い、和毅のトレーナーを務める父の亀田史郎氏が視察に訪れた。

 ドラミニは「日本の暑さは全く問題ない。順調に調整できているし、コンディションはいい」と好調をアピール。和毅について、来日時の「普通」からは一転し「スピードがあっていいボクサーだと思う」と持ち上げつつも、「俺は対戦する選手を自分より優れていると思ったことは一度もない。亀田も同じで、自分より優れているとは思っていない」と下げた。

 10日に行われたIBF世界フェザー級タイトルマッチでは、挑戦者アンジェロ・レオ(米国)が王者ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に10回KO勝ちして王座交代。ドラミニは「ずっとロペスをターゲットにしていたから多少ビックリはした。でも新王者のレオもいい選手だと思うが、俺は勝つ自信がある」と、早くもタイトルマッチに目を向けた。

 史郎氏が「2023年10月の試合からトレーナーを俺に変更している。その点は注意した方がいい」と口を挟むと、ドラミニは「トレーナーが変わることはよくあること。トレーナーが変わってどうなるか、試合を楽しみにしておく」と受け流した。

 史郎氏は「和毅はボクシングスタイルを攻撃的なスタイルに変更しているが、それに関しては?」とたたみ込んだが、ドラミニは「攻撃的なスタイルで、接近戦で勝負してもらえた方が俺はやりやすいね」とやり返すなど余裕しゃくしゃくだ。3月の試合が流れたため、試合間隔が10カ月と空いたことにも「全く影響はない。試合が延期になることや中止になることはボクシングではよくあること。俺は常にトレーニングしていたから、試合間隔が空いた影響はない」と強調した。

 史郎氏はさらに「日本では最近、計量オーバーが多発している。体重の方は大丈夫か?計量オーバーだけはやめてほしい」と揺さぶったが、ドラミニは「俺は今までのキャリアで計量オーバーしたことはない。それは心配しないでもらいたい」と一蹴し、「8月24日の試合ではまた俺が勝つ」と必勝宣言した。

 会見後、しばらくドラミニ陣営がミーティングをしてから行われた公開練習では、ドラミニは練習用バンテージこそ巻いたものの、ボクシングシューズを履かずにリングイン。本来オーソドックスだが、ぎこちないサウスポーでのシャドーを30秒ほど見せた。マネジャー兼トレーナーのコリン・ネイサン氏もドラミニ同様シューズを履かずにリングインし、ドラミニはネイサン氏のミットにサウスポーで軽くパンチを打ち込むが、これも30秒ほどで終了。手の内を明かさなかった。

 史郎氏は「ドラミニは真面目。こっちが盛り上げようとしても全然しゃべらんな。普通のことしか言わん」とバッサリ。それでも「(前戦での)イメージではもっと大きいイメージがあったが、今日、実際に会ったら小さかった。これならパワーアップした和毅が吹っ飛ばすと思う。試合を楽しみにしといてください」と、手応えを感じた様子だった。