「一緒にいたいから同棲しよう」にダマされた。ハンサム男、まさかの豹変
独身生活大謳歌中のアラサー、七尾紫と申します。フリーの編集者として活動しながら、彼氏は作らず、結婚願望も持たず、日々楽しく過ごしています。

先日、「東京都がマッチングアプリを実用化する」というニュースを見ました。私は「元カレ全員ダメ男です」と胸を張って言えるほど男運がなく、付き合うに至らなかった人も含めると数十人にのぼるほどですが、その半数はマッチングアプリで出会った男性でした。

なので、このニュースを見たときは「えぇ、大丈夫なの?」と真っ先に思いました。少子化対策のためらしいですが、そんなにうまくいかねぇぞ、と。

今回は、私が実際に体験した「本当にあったマッチングアプリの怖い話」の中から、最強で最悪の“ヒモ男”を紹介します。ぜひ参考にしていただいて、素敵なマッチングアプリライフを!

◆「顔がよければすべてよし」…が間違いの始まり

私がマッチングアプリを始めて1年ほど経った、27歳の夏の話。そのころは彼氏と別れたばかりで、単純に人肌恋しくてアプリをしていました。いつも通り男性たちのプロフィールを見ていると、「待って、めっちゃタイプ!」と声をあげそうになるほどどストライクな人が現れたのです。

当時の私は恋人を求めているわけではなかったので、選ぶ基準は写真と、頭の悪そうなプロフィール文じゃないかどうかだけ。その人は住んでいる場所と趣味だけを書いていて、さらに好感が持てました。いわゆる“いいね!”をすると、すぐにマッチ。メッセージが来て、比較的サクサクッと会う日が決まりました。

実際に会ってみると、やはり好みのお顔。身長も平均より少し高いくらいで、おしゃべりも上手。職業もきちんとしていて、しかも方言付きときた!彼が「行ってみたかったんよね」という居酒屋でしっとりとした時間を過ごしました。

その夜は、まあ、うちに泊まって行ったわけですが。その時点で、「かっこいいし、何かと相性がいいし、もしうまくいけば付き合ってもいいかも」と思ってしまっていました。これがすべての間違いでした。

◆突然「そっちの家に俺が住むわ」

それから彼は週2、3回ほど私の家に遊びに来ていました。一緒にいる時間は楽しくて、ほとんど恋人同士みたいな関係だった、と思います。そして出会って1カ月になるとき、彼から「もっと一緒にいたいから、同居しないか」と言われたのです。

さすがにこの関係で一緒に住むのは…と思った私は、「いいけど、それって付き合うってこと?」と聞きました。すると、「うん」と短いLINEが来ました。さらに、「そっちの家に俺が住むわ」と言い出します。今思えばとんでもない話ですが、当時の私はめちゃくちゃ頭が悪く、顔のいい男と一緒にいられたらそれでよかったので、とりあえずOKしました。

ちなみに、私の家はワンルーム。明らかに単身用です。一応、「荷物入らないよ」とか「さすがに毎日シングルベッドに2人は無理だよ」とか抵抗は見せたのですが、かたくなにうちに住むと言って聞かないのです。

その数日後、彼は4段の収納ボックスと数着のスーツだけを持って、本当にうちに転がり込んできました。荷物の少なさに驚いたのですが、しばらくして疑問に思います。「家具家電は?」と。聞いてみても、「人にあげた」と言いましたが、あんな数日間でできるわけがない。

そこでやっとわかりました。彼は女の家にいたのです。

◆なにもかも、寄生するためだった

その後、彼は私に一銭も払わず、冷蔵庫のものを勝手に食べ、私のスキンケアを勝手に使い、掃除もまったくせず、何度「家賃を払って」と言っても「無理〜!」と小学生のようにひと言返して終わり。さらに深夜に帰ってくるわ、当時流行していた音声SNS「Clubhouse」を朝方までやるわ、私の好きなアイドルのグッズを見て「オタクきっしょ」と吐き捨てるわ、もうめちゃくちゃでした。