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『スピード』シリーズや『ツイスター』(1996)のヤン・デ・ボン監督には、残念ながら幻となってしまったひとつのプロジェクトがある。ハリウッド版『ゴジラ』だ。1998年にローランド・エメリッヒ監督が『GODZILLA』として実現させる以前、実はデ・ボン監督による企画が始動していたのは有名なエピソードである。

『トゥームレイダー2』(2003)を最後に監督業を退いているデ・ボンだが、20年以上経った今でも、幻の『ゴジラ』企画は大きな心残りのようだ。米では、「素晴らしい企画がいくつもあったのに」と回想し、そのなかのひとつに『ゴジラ』を挙げている。

「『ゴジラ』は作りたかった、僕はゴジラの大ファンだから。[中略]セットの準備もできていたし、日本の方々もすごく喜んでくれていたんです。僕はゴジラを演じた人たちのことも大好きでしたよ。けれども突然、(製作のトライスター・ピクチャーズが)“製作費がかかりすぎる”と言い出したんです。そしてローランド・エメリッヒが、“自分ならもっと安くできる”と言ってきた。もちろんそれは嘘で、僕の企画よりも製作費はずっと高くなったわけですが」

このエピソードには、デ・ボン側とエメリッヒ側の間に見解の不一致があるのかもしれない。なぜならエメリッヒは、2022年のインタビューで「(『GODZILLA』は)やりたくなかった」と。当初は断るつもりで「ゴジラをトカゲにする」というアイデアを提案したところ、東宝側に受け入れられてしまったと明かしていたからだ。

いずれにせよ、当時のトライスター・ピクチャーズはデ・ボンではなくエメリッヒを選んだ。「スタジオの考えが変わってしまったら、どうすることもできません。本当に素晴らしい脚本だったし、良い映画になっていたはずだから残念です」とデ・ボンは語る。

当時の脚本を執筆していたのは、エメリッヒ版にも「原案」としてクレジットされているテッド・エリオット&テリー・ロッシオ。2人はのちに『パイレーツ・オブ・カリビアン』を手がけたほか、ロッシオは『ゴジラvsコング』(2021)『ゴジラxコング 新たなる帝国』(2024)でゴジラ映画に復帰を果たしている。ちなみに、デ・ボン版『ゴジラ』の脚本最終稿はで読むことができる。

ところで、「ゴジラの大ファン」を自称するデ・ボンは、その後のゴジラ映画もきちんと観ている模様。山崎貴監督による『ゴジラ-1.0』(2023)には「史上最高の映画のひとつ」と絶賛を贈った。

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