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お子さんの「国語力」が伸びないと悩んでいる親御さんが多いのではないでしょうか? そんななか、「本を読まない子でも”中学受験の国語”は全然大丈夫!」「国語はテクニック! 解き方さえ分かれば合格点は取れる!」など、心強いメッセージを届けてくれる注目の国語講師がいます。『中学受験 となりにカテキョ つきっきり国語』シリーズなどの著書があり、安浪京子先生も絶賛する教育メソッドで、子どもたちの国語力をグングン上昇させてきた金子香代子先生です。本連載では、そんな金子先生に、「中学受験の国語」について、知りたいことを聞いてみました。(構成:書籍オンライン編集部)

「書く力」の前に「読み取る力」を身につける

Q. 子どもの「書く力」を伸ばすために知っておくべきことはありますか?

 いろいろとお伝えしたいことはあるのですが、まず最初に知っていただきたいのは、「書く力」は「読み取る力」を身につけてからでないと伸びないということです。

「読解力がないのに書く力はある」ということはないんですよね。

 でも、そこを知らないで、「書けないんです」「記述が、記述が」とおっしゃる親御さんが圧倒的に多くて、「いやいや、そもそも読み取れてないんだから、書けないですよ」となるんです。

 読み取れていなければ、書いたところで間違えてしまうので、「書く力を伸ばしたい」「記述力を身につけさせたい」という気持ちはよくわかりますが、「順番がある」ということは理解していただきたいポイントです。

 読解については、これまでの記事で解説しましたので興味があるかたはそちらをご覧ください。

「書く力」「記述問題を解く力」の3つのステップ

 読解力が身についている前提になりますが、「書く力」「記述問題を解く力」の学習には、大きくわけて3つのステップがあります。

 まず、「設問の意味」を理解することが最初のステップです。「理由なのか」「言い換えなのか」「心情なのか」など、問われていることを把握します。問いに正しく答えていなければ得点になりません。

 もし読解力が不足している場合は、この時点でつまずきます。お子さんがここで立ち止まっているならば、読解の学習に取り組んだほうがいいでしょう。

 そして、2つめのステップは、答えにあたる部分に線を引くことです。

 30字程度の記述問題であれば、そのまま写して文末を整えるだけでマルがもらえます。

 文末を整えるとはどういうことかというと、問いにあわせた形で文を締めくくるということですね。

 たとえば、問題が「なぜですか?」と理由を聞いている形式ならば、文末は「〜から。」に直すだけでよいということです。

 文末を調整するだけですから、読解スキルがあればここはクリアできるでしょう。

難関校合格のために必要な「組み立てる力」

 ところが、50字以上の記述問題になると、必要な要素が2つや3つにわかれてきます。

 その場合には、要素をつなぎあわせて50字にして、さらに文末を整える必要が出てきます。これが3つめのステップ「組み立てる力」です。

 30字と50字で皆さんがどこまで差を感じられるのかわかりませんが、求められる記述力の差は大きいです。

 複数の要素を文章として論理的につなぎあわせるためには、しっかりとしたトレーニングが必要になってきます。

 教材などを活用して、しっかりと「書く力」のための勉強時間を確保する必要が出てくるでしょう。

 ちなみに、中位層までの学校を目指すのであれば、第2ステップまでで基本的にはOKです。

 ただ難関校を目指すのであれば「組み立てる力」までマスターする必要があります。

 ですので、ここはお子さんの志望校を踏まえたうえで、学習計画を立てられるといいと思います。