ACL優勝にあと一歩まで迫った横浜FM【写真:ロイター】

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ACL決勝第2戦でアル・アインに完敗、大会準優勝に

 横浜F・マリノスは現地時間5月25日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦でアル・アイン(UAE)とアウェーで対戦。

 前半にGKポープ・ウィリアムが退場処分となるなど苦しい展開のなか1-5で敗れ、2試合トータルスコア3-6と及ばず準優勝に終わった。キャプテンのMF喜田拓也は試合後に「簡単に前を向くのは難しいけど、それでもやらないといけない」と敗戦を受け止めた。

 横浜FMはアジアの大会が再編されてからは初となるアジア王者を目指し、秋春制に完全移行された大会で昨年のグループリーグを突破。今年に入ってから東地区の決勝トーナメントを突破して決勝にコマを進めた。11日に行われた決勝初戦のホームゲームは2-1で勝利し、引き分け以上の結果で優勝が決まるアウェー決戦に臨んだ。

 しかし、立ち上がりの前半8分にFWソフィアン・ラヒミに蹴り込まれトータルスコアは2-2の同点。そして前半28分、アル・アインが右サイドから背後にスルーパスを狙ったところにラヒミが走り込むと、DF畠中槙之輔が対応。ラヒミが倒れ込むと主審はシミュレーションとしてイエローカードを提示したが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入でオンフィールドレビューが行われ、判定はPKとなりイエローカードも取り消された。このPKをMFアレハンドロ・ロメロに決められた。

 それでも横浜FMは前半40分、相手の最終ラインにプレスをかけボールを奪ったFWヤン・マテウスがそのまま右サイドから一気に前進。ペナルティーエリア内のフェイントで相手を振り切ると、左足シュートを決めた。しかしアディショナルタイム、ラヒミに背後へ抜け出されると1対1の状態でポープがペナルティーエリア外まで出て対応したが、ラヒミを倒してしまい決定機の阻止で退場処分になった。横浜FMはこの緊急事態にFWエウベルを下げてGK白坂楓馬を入れる事態になった。

 そして後半23分、押し込まれ続けた中でペナルティーエリア内でDF永戸勝也がラヒミにシュートフェイントで外されると、左足の強烈シュートでニアサイドを打ち抜かれて失点。さらにアディショナルタイムには2点を奪われ、結果的にはトータル3点差の大敗。アジア王者への挑戦は最後の一歩のところで届かなかった。

 喜田は試合後に「たくさんの人に期待してもらっていたと思う。マリノスに関わるすべての人、Jリーグ、日本を代表して結果を届けたかった。自分たちの力が足りず、届けられず本当に申し訳なく思う。自分たちの力が足りずに悔しい思いをさせてしまった。簡単に前を向くのは難しいけど、それでもやらないといけない。この悔しさを噛みしめて胸に刻んでやっていかないといけない」と話した。

 また、DF松原健は「アジアの壁を知った。僕たちは最善の準備をしてきたつもり。それで結果が出ないのは何かが足りないのに尽きると思う。1人1人のメンタリティーをもっともっと強く持たないといけない。10人になってもチームがバラバラにならず、まとまらないといけなかった」という言葉を残した。

 交代出場したFW宮市亮は「試合が終わったばかりで空っぽな気持ち。駆け付けてくれたサポーターに優勝を一緒に味わいたかった。日本からも夜遅くまで応援してくれたと思う。申し訳ない気持ちが強い。相手チームが喜んでいる光景を見る悔しさを忘れてはいけない。アル・アインも素晴らしいチームで優勝おめでとうということだけど、糧にしてやっていきたい」と話した。

 3選手とも最後にはリーグ戦に言及したが、横浜FMは時差と移動もあるなかで、中3日の5月29日に柏レイソルと対戦する厳しい日程が組まれている。(FOOTBALL ZONE編集部)