8月には復活コンサートを予定

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 歌手の氷川きよし(46)が2000年のデビュー以降、24年間にわたって所属してきた長良プロダクションからようやく独立を果たした。たびたび報じられてきた両者の確執は現在、どうなっているのか。

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 22年末のNHK紅白歌合戦をもって歌手活動を休止していた氷川は今年4月27日に突然、長良プロのホームページ上で独立と個人事務所の設立を発表した。

「長良プロは、今は亡き先代の長良じゅん氏(本名・神林義忠)が1963年に設立した長良事務所をルーツとする名門です。演歌の興行が得意で、かつては故・若山富三郎や小林旭、故・梅宮辰夫ら有名俳優が所属していたこともありました」(スポーツ紙記者)

「長男が実権を握るようになってから…」

 今世紀に入ってからは長良氏が手塩にかけてデビューさせた氷川が売れっ子になり、名門の地位を維持してきたが、

「12年にその長良氏が不慮の事故で亡くなってしまい、名ばかりの代表を務めてきた長男の神林義弘氏が実権を握るようになってから、事務所は不協和音を奏で始めました」(同)

 2代目の神林氏は氷川に過密スケジュールを押し付けたり、本人の希望を聞き入れずに演歌ばかりを歌わせたりして、両者の溝が深まっていったという。

8月には復活コンサートを予定

「19年以降、氷川さんは女性的な外見となっていき、自らを“Kiina(キーナ)”と名乗るようになりました。一方の神林氏は『週刊文春』(22年10月13日号)で、配下の男性幹部にあらぬ疑いをかけて暴行を働き、長良プロから大勢の社員が去っていったと報じられた。その後、氷川さんは休業に入り、先日まで沈黙を保ってきたというわけです」(同)

 生前の長良氏と親しく、氷川とも長きにわたって交流を続けてきた、作詞家で音楽評論家の湯川れい子氏によれば、

「氷川さんは先代が亡くなった後、事務所から受けたさまざまな厳しい制約の影響で芸能界に不信感を抱くようになったのかもしれません。だから、芸能関係者との会合を極力避け、慎重に独立に向けた計画を進めていたそうです。“自由に好きな歌を歌いたい”という思いで弁護士を雇い、事務所との関係を清算するべく交渉を重ねてきたのです」

滞る新人発掘

 このたび晴れて独立を果たしたということは、

「交渉が一段落したのでしょう。自宅に設定されていた長良プロを債権者とする約3億5000万円の抵当権が抹消され、本人名義でほぼ同額を銀行から借り換えるに至ったそうですが、現在やっと事務所の軛(くびき)から解放されたことを物語っていると思います」(湯川氏)

 帝国データバンクの調査によると、昨年は芸能プロダクションの倒産が12件もあり、過去5年間で最多だったとのこと。

「その要因はコロナ禍だけではありません。個人で活動できるYouTuberなどが台頭した結果、芸能プロが得意としてきた新人発掘が滞り、稼げるタレントの育成が難しくなっていることの影響もあったのではないか、と分析されています」(経済誌記者)

 であればなおさら、

「氷川さんがいなくなった長良プロは、単に屋台骨を失ったというだけの問題では済みません。今後、名門の看板をもってしても新人発掘は難しく、厳しい行く末が待っていると考えられます」(同)

 おごれる者は久しからず。氷川との確執が決定的になった時点で、すでに長良プロの凋落は始まっていたといえるのかもしれない。

「週刊新潮」2024年5月23日号 掲載