北朝鮮市民の間でコーヒーへの関心が高まっているという

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 北朝鮮で長い間、「資本主義を象徴する贅沢品」とされてきたコーヒーが、富裕層や幹部公務員の間で流行しており、従来のタバコに代わってコーヒーが「賄賂」として使われるようになっていることが明らかになった。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 北朝鮮ではコーヒーは長年、外国人観光客向けのホテルでしか提供されていなかったが、2010年代から市場に登場し始めており、いまや首都・平壌市や地方の大きな都市ではコーヒーショップがみられるようになった。

 これらのコーヒー中国からの輸入品が大半で高価なため主に富裕層向けだが、市民が秘かに見ている外国映画などの影響もあってコーヒーへの関心が高まっている。

 市民がコーヒーを手に入れるのは難しいとされるが、入手困難であるからこそ「賄賂」として人気が出ており、従来の紙巻きたばこに取って代わっているという。

 市民から頼みごとを持ち込まれることが多い幹部公務員はその見返りとして、「コーヒーと砂糖のセット」を求めることが多くなっている。

 頼まれた方の市民は何とかコーヒーを貿易担当者から工面して購入。その価格は200グラム当たり5万〜8万ウォン(1000〜1600円)と北朝鮮の物価から考えると、かなり高価だが、背に腹は代えられず、言われたように、コーヒー・砂糖セットを「贈り物」として差し出している。

 幹部公務員がなぜコーヒーに興味を持つようになったのかについては定かではないが、北朝鮮では「コーヒーは健康によい」との噂が広まっていることも一因ではないかと囁かれている。