3歳馬の「マイル王決定戦」GINHKマイルC(東京・芝1600m)が5月5日に行なわれる。

 今年は、GI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)でも2着と奮闘した2歳女王のアスコリピチェーノ(牝3歳)、GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)で3着と好走した2歳王者のジャンタルマンタル(牡3歳)が出走。豪華メンバーの参戦によって、例年以上の盛り上がりを見せている。

 そして、当然のことながら、その"2強"対決に世間の注目は集まっているが、このレースはとにかく"荒れる"ということを忘れてはいけない。

 過去10年の結果を振り返ってみても、3連単はすべて万馬券。しかも、10万円超えの高配当が7回も出ている。一昨年には、150万円超えの高額配当も飛び出しており、穴党にとっては垂涎のレースと言える。

 であれば、今回も穴狙いに徹するべきだろう。そこで、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで"2強"の間隙を突いて、オイシイ配当をもたらしてくれそうな伏兵馬をあぶり出してみたい。

 まず、ピックアップしたいのは、ここまでに連勝を飾ったことがある馬だ。というのも、過去10年で馬券圏内(3着以内)に入った30頭のうち、20頭がそうした経験がある馬だったからだ。直近5年で見れば、馬券圏内に入った15頭のうち、8割にも及ぶ12頭に連勝実績があった。

 今年、このタイプに当てはまるのは、アスコリピチェーノ、イフェイオン(牝3歳)、キャプテンシー(牡3歳)、ゴンバデカーブース(牡3歳)、ジャンタルマンタル、ダノンマッキンリー(牡3歳)、ディスペランツァ(牡3歳)、ノーブルロジャー(牡3歳)と、8頭いた。

 そのうち、上位人気が予想されるアスコリピチェーノとジャンタルマンタルの"2強"は外したい。さらに、過去馬券圏内に入った30頭はすべて、年明けのレースを走っていた。言い換えると、3カ月以上の休み明けで馬券圏内に入った馬は1頭もいなかった。

 そうなると、昨秋のGIIIサウジアラビアロイヤルC(10月7日/東京・芝1600m)以来のレースとなるゴンバデカーブースは、厳しいと見る。

 残るは、5頭。

 そこまで絞ったなかで、次にチェックしたいのは、前走だ。過去10年で最も多かったのは、7頭いたGIIIアーリントンC(阪神・芝1600m)からの臨戦である。直近5年では5頭と、ダントツの数字である。

 つまり、狙いは前走「アーリントンC組」。残った5頭のうち、それに合致するのは、ディスペランツァだけだ。


NHKマイルCでの一発が期待されるディスペランツァ。photo by Eiichi Yamane/AFLO

 同馬は、前々走の1勝クラス(3月10日/阪神・芝1600m)をメンバー最速の上がりをマークして快勝すると、続くアーリントンC(4月13日)でも中団から鋭い末脚を繰り出して、重賞制覇を果たした。

 2歳時には、GIII京都2歳S(11月25日/京都・芝2000m)6着、GIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)9着と揮わなかったが、マイル路線に転換してからは、秘めていたキレ味が開花。2連勝を飾った。

 NHKマイルCの舞台は、最後の直線が長い東京。自慢の末脚が再び爆発すれば、"2強"を脅かすのはもちろんのこと、戴冠を遂げても不思議ではない。