元セクシー女優で「覚醒剤使用で逮捕」された合沢萌が語る…「女子刑務所」で起きていたやばすぎる裏話

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恋愛感情を利用して現金をだまし取る手口を記載したマニュアルを販売したなどとして、詐欺ほう助の疑いで逮捕された頂き女子りりちゃん。懲役13年を求刑され、さまざまな反響を呼んでいる。

そんな彼女が実刑を受けた場合に入ることになる女子刑務所。女性の受刑者は全刑務所の全体の一割とかなり少なく、内部の様子があまり語られることはないが、どんな場所なのだろうか。

実際に麻薬取締法違反、麻薬特例法違反で約13年刑務所にいた元AV女優の合沢萌(以下合沢さん)が話してくれた。

「初めまして合沢萌です。元AV女優で刑務所に入っていました。出所したのは去年の10月13日です。よろしくお願いします」

明るく話を切り出す合沢さん。彼女が覚醒剤に手を染めたのは10代の頃、当時付き合っていた彼氏に誘われてからになる。

「当時は飲み会の席で遊びみたいな感じで覚醒剤を使っていました。自分一人で使うようになったのは、所属していたAVの事務所が解散して暇になったのがきっかけです。薬物の売人と関わるようになって、売人から『吸ってないで打とうよ』と言われ、そこからどんどんハマっていってしまいました」

まず警察に逮捕された後、刑事罰が確定するまでは、拘置所での生活になる。拘置所では、刑務所よりも厳しい生活を強いられていたと話す合沢さんだが、警察に身柄を拘束された当時のことを思い出すと、自分にも非があったと語った。

「逮捕されて最初に感じたのは、東京拘置所がすごく厳しかったことです。今思えば私の素行が悪かったのもあるとは思いますが、人間扱いをされず絶望しました。こんな場所だとは思わず戦々恐々としていたのですが、いざ刑務所に入ると刑務官を含めてみんな優しかったのでびっくりしたのを覚えています。かなり校則が厳しい女学校だと思えばわかりやすいですかね」

拘置所では独居房に入り、拘置所職員に話しかけても無視をされる。こちらの要望を何一つ聞いてくれない。こうした環境に比べて、刑務所は比較的緩かったと話す。罪状が確定し、刑務所へ移動すると、そこから雑居房での集団生活をすることになる。

今まで経験したことがない、檻の中での社会生活。そこでは外では考えられない意外なルールが待ち受けていたという。

「まず驚いたのは、下の名前を聞くのは禁止と言われたことです。ほかにも、罪状や刑期も聞いてはいけませんでした。ヒエラルキーができないようにとのことだったんでしょうけど、結局数ヵ月もしたら知ることになるんですけどね」

他にも、刑務所ではメガネなどの生活必需品を手に入れる際にも多くの手続きを踏む必要がある。ほとんどの受刑者は両親や友人に手紙を出して手に入れるのだが、合沢さんは親や友人に迷惑をかけたくないと、購入代行サービスと呼ばれるものを利用していたのだという。

「何か欲しいときは、購入代行といわれる要介護の方の代わりに日用品を購入して配送するサービスを利用していました。刑務所内への購入代行の場合は一回の利用で3万円から5万円で仕事を引き受けてくれます。当時はハズキルーペがどうしても欲しくて購入代行を利用して合計4万5千円で眼鏡を買いました。

担当の刑務官からは『金をドブに捨てている』と怒られてしまったのですが、外の友人や家族に迷惑をかけて、疎遠になりたくない私にとっては必要なものでした」

購入代行の企業を探すのも大変で、10社に連絡をしたが返事があったのは2社。そこから仕事を引き受けてくれたのが1社だったという。購入代行の企業側からしても、相手が刑務所にいるとなれば、取引をしようとは思わないからではないかと合沢さんは語る。

このようにさまざまな制限があり、不便な暮らしをしている女性刑務所だからこそなのか、同性同士での恋愛が刑務所の外よりも多く行われているという。合沢さんも長い服役中に女性と付き合うことがあったそうで、他にも同じような受刑者はそれなりにいたようだ。

付き合っていた人はバイセクシャルの女性。まさか自分が女性と付き合うとは思いもしなかったというが、同じような人はそれなりにいたとか。雑居房内での恋愛であったため、付き合ってからは手を繋いで寝たり、看守の目を盗んでキスや擬似的な性行為をしたりしていたと語る。

「受刑者同士の恋愛以外に女性刑務官にアプローチをする人もいました。髪型も短髪で背が高くすらっとしている、宝塚の男役みたいな刑務官は人気でしたね。夜中の巡回中にサイン(指でハートマークを作る)を送ったりしてました」

カッコいい刑務官に対して好意をアピールする受刑者もいて、まさに女子高と同じような価値観であったと教えてくれた。

そんな刑務所生活も終わり、外に出てきた合沢さん。今の目標は、刑務所にいる人たちの希望になること。

刑務所への慰問や、ムショ帰りの人たちが復帰できるような専門の活動を行う会社を作って社会貢献するために、日々活動を続けているという。彼女の更正活動がうまくいくことを願うばかりだ。

取材・文・PHOTO:白紙 緑