ルワンダの首都キガリで、ルワンダ虐殺30周年の式典で花の前に立つビル・クリントン元米大統領(中央、2024年4月7日撮影)。(c)LUIS TATO / AFP

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【AFP=時事】ルワンダで約80万人が殺害されるジェノサイド(集団殺害)が始まった日から30年となる7日、首都キガリでは慰霊式典が執り行われた。ポール・カガメ(Paul Kagame)大統領は、国際社会は大虐殺が起きていたルワンダを「見捨てた」と振り返った。 

 虐殺は約100日間にわたり続き、少数派ツチを中心に約80万人が犠牲となった。多数派フツ(Hutu)も少なくない数が亡くなっている。

 カガメ氏は式典で「国際社会の蔑視もしくは臆病のため、われわれは皆見捨てられた」と述べた。

 式典にはアフリカ各国首脳やビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領が参列 。クリントン氏はかつて、ルワンダ虐殺を自らの政権最大の失敗と呼んだ。

 式典では例年と同じく、カガメ氏がキガリ虐殺記念館(Kigali Genocide Memorial)の集団墓地に花輪を手向け、トーチに点火。墓地には25万人以上が埋葬されているとされる。

 1994年4月6日夜、フツ出身のジュベナール・ハビャリマナ(Juvenal Habyarimana)大統領(当時)が乗った航空機がキガリ上空で撃墜された。これをきっかけにフツ強硬派民兵組織などによる大虐殺へとつながっていった。

 ルワンダでは今も、集団墓地が各地で発見されている。

 ルワンダは7日から1週間、国を挙げて喪に服する。事実上あらゆる活動が停止し、半旗が掲げられる。

 公の場所やラジオでは音楽放送が禁止され、テレビでは虐殺30年に関係のないスポーツの試合や映画の放送が禁止される。

【翻訳編集】AFPBB News

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