売上の最大30%が徴収される「Apple税」を回避し、開発者がApp Storeの規制を気にすることなくiPhoneにアプリを配信できる代替アプリストア「AltStore」を使用している模様を収めた動画が公開されました。

The AltStore, an alternative app store coming to the EU, will offer Patreon-backed apps | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/04/01/the-altstore-an-alternative-app-store-coming-to-eu-will-offer-patreon-backed-apps/

AltStore coming to iPhones with Patreon-backed apps

https://www.ithinkdiff.com/altstore-brings-patreon-backed-apps-to-iphones/

AltStoreの開発者であるRiley Testut氏が、AltStoreでiPhoneにアプリをインストールする際の動画をSNSに投稿しました。



これがAltStoreのアプリ配信画面です。Testut氏は「AltTest」というテスト用のアプリをタップしました。



インストールを確認するポップアップが表示されます。



もう一度表示されるインストールボタンをタップするとインストールが開始されました



ホーム画面に「AltTest」が追加されています。



AltStoreは、Appleを含む大手IT企業を「ゲートキーパー」として指定し、それらによる市場の独占を阻止して新規参入と市場競争を促進することを目的に制定されたEUのデジタル市場法(DMA)により実現した代替アプリストアです。

Testut氏によると、AltStoreは当初ゲームエミュレーターアプリ「Delta」と、クリップボードマネージャーアプリ「Clip」の2つとともにEUでスタートする予定とのこと。Deltaは無料で、AltStore独自アプリのClipはクラウドプラットフォーム・Patreonで月額1ドル(約150円)以上の料金(pledge)を支払うことが必要になります。

Patreonを利用することで、アプリ開発者は柔軟なサブスクリプションプランを提供したり、Appleの規制を気にすることなくユーザーにアプリを発信したりできます。また、ユーザー側はより直接的にクリエイターを支援することが可能になります。



by Focal Foto

現行では、年間初回インストール数が100万回を超えると「追加のインストールごとに0.5ユーロ(約81円)」のコアテクノロジー料金をAppleに支払う必要があります。そのため、予期せぬインストール数の急増により開発者が破産することが懸念されていますが、欧州委員会(EC)は2024年3月にAppleの対応がDMAに準拠しているかをチェックする調査を開始しているため、結果次第ではコアテクノロジー料金もなくなる可能性があるとのこと。

代替アプリストアは、2023年3月に配信されたiOS 17.4で、EUに住んでいるiPhoneユーザー向けにサポートが開始されています。Testut氏は、AltStoreのローンチ準備は既に完了しており、目下Appleの審査を待っている状態だと話しました。