【訃報】「PostgreSQL」の開発に携わったソフトウェアエンジニアのサイモン・リッグス氏が航空機事故で死亡
2024年3月26日、データベース管理システムのPostgreSQLの開発やデータサーバーソリューション会社の2ndQuadrantの立ち上げに携わったソフトウェア開発者のサイモン・リッグス氏が亡くなりました。
PostgreSQL: Remembering Simon Riggs
https://www.postgresql.org/about/news/remembering-simon-riggs-2830/
First picture of pilot who died in crash at Duxford aviation museum
https://www.telegraph.co.uk/news/2024/03/27/plane-crash-imperial-war-museum-duxford/
'Truly great' Bedfordshire man named as pilot in fatal Duxford aircraft crash | ITV News Anglia
https://www.itv.com/news/anglia/2024-03-27/truly-great-family-pays-tribute-to-pilot-killed-in-aircraft-crash
イギリス・ベッドフォードシャー州アンプティル出身のリッグス氏は、データベース管理システムのPostgreSQLにおいて、ポイントインタイムリカバリやホットスタンバイ、同期レプリケーションなどのエンタープライズ機能の開発に携わり、PostgreSQLの発展に貢献してきました。
2023年にPostgreSQLの開発チームを離れたリッグス氏は、その後多くのPostgreSQLの開発者とともにデータサーバーソリューション会社の2ndQuadrantを設立しました。
2024年3月26日、リッグス氏はイギリス・ケンブリッジシャー州ダックスフォードの帝国戦争博物館(IWM)において自身の自家用プロペラ機「SR22T」を操縦していました。
リッグス氏は19分間飛行を続けましたが、13時40分過ぎ、機体がダックスフォード飛行場に墜落。事故を目撃したケイト・ムーア氏は「『バーン』という音が聞こえて振り向くと、煙が上がっていました」と述べています。
この事故を受けて救急車や消防車合計10台が現場に駆けつけましたが、救急隊による最善の努力にもかかわらずリッグス氏はその場で死亡が確認されました。記事作成時点で、航空事故調査局(AAIB)が墜落事故の原因などの調査を行っています。
リッグス氏の息子のサム・マーシャル氏は「このニュースをお伝えするのは大変心が重いです。彼は誰からも愛され、自分の人生を精いっぱい生き続けました。父の死は大いに惜しまれるでしょう」と述べています。また、もう一人の息子のフランク・マーシャル氏は「父は素晴らしい人間でした。彼は私の母を幸せにしてくれました」と語っています。
リッグス氏の元同僚のアンドレアス・クレッチマー氏も哀悼の意を表し「サイモン・リッグス氏は単なる上司ではなく、家族ぐるみでの付き合いがありました。彼の訃報を聞いてショックを受けています。彼の妻であるカレン・リッグス氏や子どもたちに深い哀悼の意を表します」と述べました。
また、PostgreSQLの開発チームは「サイモン・リッグスを偲ぶ」とのブログ記事を公開。「PostgreSQL開発チームは、2024年3月26日に長年の友人であり同僚であるサイモン・リッグス氏が亡くなったことを深く悲しんでいます。リッグス氏の死は彼を知る全ての人に惜しまれることでしょう。PostgreSQLプロジェクトは、彼の家族と友人に深い哀悼の意を表します」とつづっています。
リッグス氏の友人であるジョシュ・バーカス氏は「もし彼がいなかったら、PostgreSQLは今日のような世界をリードするデータベース管理システムにはならなかったでしょう」と語りました。
さらにバーカス氏は生前のリッグス氏との思い出を語っています。