宝塚歌劇団の宙組団員が昨年9月に急死した問題で、阪急阪神ホールディングス(HD)は28日、大阪府内で記者会見を行い、遺族と合意書を締結したことを報告した。

このうち、遺族側が公表していた15項目のハラスメントのうち、14項目について認めた。

1.宙組上級生がヘアアイロンで髪を巻こうとし、額に1カ月を超えて跡が残るほどのやけどを負わせたこと
また、上級生が気持ちをくんだ気遣い・謝罪を行わなかったこと

2.新人公演の直前に、宙組上級生の指示により2日連続で深夜に髪飾りの作り直しの作業を行うこととなったこと

3.宙組上級生が新人公演のダメ出しで人格否定のような言葉を浴びせたこと
ならびに当時の宙組プロデューサーがこのことを認識しながら放置したこと

4.宙組幹部4名が被災者を会議室に呼び出し、その後、宙組全員の集まりを開いたことにより被災者が過呼吸になるほど大きな精神的負担が生じたこと

5.宙組プロデューサーがその会議室を確保し、被災者が精神的負担を受ける場を設定したこと
ならびに被災者が組替え希望を求めたが、これを無視したこと

6.劇団が1のヘアアイロンについて「全く事実無根」との見解をホームページで発表したこと

7.劇団が被災者に対して死亡前直前1カ月において過大な業務量を課し、長時間業務を行わせたこと

8.新人公演の演出担当者が「振り写しを行う必要はない」と言っていたにも関わらず、宙組幹部が被災者に対して振り写しを行うべきと指摘し、一層の過重な業務が課せられたこと

9.新人公演の準備において"お声がけ"という手順を踏むことは必須ではなかったにも関わらず、宙組幹部がお声がけを行う必要はないと宙組生に指導せず、その結果、被災者に一層の過重な業務が課せられたこと。

10.新人公演の演出担当者の怠慢により、演出担当者の業務を肩代わりせざるを得なかったこと

11.新人公演の配役表に関して、宙組幹部が深夜帯になって被災者を指導・叱責し、これにより被災者が午後11時50分になっても帰宅できない状況になったこと

12.宙組幹部が、被災者に落ち度がないにもかかわらず、振り写しに関し被災者を指導・叱責したこと

13.下級生による衣装の取り扱いに関する衣装部門からの苦情に関し、被災者に落ち度がないにも関わらず、上級生が被災者に対して下級生の失敗は被災者の責任であるとして指導・叱責したこと

14.宙組上級生Aが、被災者に落ちがないにもかかわらず、お声がけに関し被災者を大きな声で指導・叱責したこと
その後、Aが別の宙組上級生Bを呼び出し、被災者について指導した上で、Bが被災者に嘘をついているかと繰り返し質問したこと