シナモンAIは3月25日、同社が開発するドキュメントLLM「Super RAG」の実用化を発表。エンドユーザー企業やパートナー企業向けへの販売を推進する。

○複雑な非構造ドキュメントからの情報抽出をLLMに

シナモンAI公式サイト

LLMが提供する全ての機能が利用可能であることを基本に、外部情報から取得した情報を活用して生成AIの回答精度向上を図る独自のRAG(Retrieval Augmented Generation)システム「Super RAG」は、社内文書やナレッジ活用など業務効率の改善を目指せるもので、複雑な表、グラフやチャート図、棒グラフ、ダイアグラム、手書き帳票など社内にある複雑な非構造ドキュメントからの情報抽出が可能になる。組織内でのLLM活用の幅の広がりが期待できる。

2016年設立のベンチャー企業である同社はAI-OCRエンジンやAIプロダクト/ソリューションの開発を手掛け、英FinTech Globalが発表する「AIFinTech100 2023」に国内で唯一選出されるなど注目されている企業のひとつ。国内大手企業にAIソリューションの多くを提供する同社は、エンドユーザー企業での利用が進む生成AIについて、ハルシネーションの制御や社内のドキュメント・ナレッジ活用における実用化への課題を多く認識していると述べる。同社では、これらの課題解決を意図してドキュメントLLM「Super RAG」を開発している。

チャート図の例(同社資料より)

ダイアグラムの例(同社資料より)

手書きを含む複雑な帳票の例(同社資料より)