40代で「子宮頸がん」が判明し子宮摘出を決断。経験から学んだ「がん」とのつき合い方
がんを経験すると、たとえ克服したとしても以前のような生活ができなくなるケースも。そんなとき、変わった「今の自分」とポジティブに折り合いをつけたいものです。タレント・ジローラモさんの妻で、イタリア料理文化研究家として活躍するパンツェッタ貴久子さんもそんな経験をしたひとり。闘病中のこと、仕事を手放して見つけた日々の楽しみについて伺いました。
前のめりに生きた40代に発症。予想もしてなかった病気の展開に驚き
パンツェッタ貴久子さんの体が変調をきたしのは、40代の半ば。月経周期が乱れます。オリモノの量が増え、子宮頸がんの兆候は少しずつ表れたと言います。
「出血量がすごかったんです。寝具がびっしょりと血で濡れて、これはただ事ではないと感じました」(パンツェッタ貴久子さん、以下同)
レディースクリニックで検査したところ、子宮頸がんと判明。メスを入れずに子宮の入り口のがんのみを取り除く”円錐切除”を行います。しかし、傷口がふさがらず、たびたび出血。
再度の検査の結果、がんが子宮に浸潤していることがわかり、子宮を全摘出するか、もしくは抗がん剤と放射線治療をするかという判断を迫られます。悩みのなかで、知人からは民間療法をすすめられたり…。
「心身ともに弱っているときは、判心身ともに弱っているときは、判断も狂いますし、人の意見に揺らいでしまいますね」
夫と母の言葉で、子宮摘出を決断
パンツェッタ貴久子さんのご主人はイタリア出身のタレントで「ちょいワルおやじ」として知られるパンツェッタ・ジローラモさん。
「君の好きにすればいい」という言葉と、歯科医であったお母様の「西洋医学を信じてみない?」という言葉で、子宮摘出を決断したそうです。
病気がきっかけで生活スタイルに変化が
手術は無事に成功。闘病中にオープンさせたイタリア料理店「コチネッラ」は2年あまりで体力的な限界を感じ、お店は手放すことに。
「お店をやることが力になったけど、スタッフに余分な負担をかけたり、健康でないと判断がぶれるんです」
●体調が悪くなる前にこまめにケア
パンツェッタ家にはペルラ(真珠)ちゃんという愛犬がいます。お世話をすることで、生活リズムが整うという一面もあると言います。
また、手術の後遺症のむくみは、メドマー(医療用マッサージ機)を使ったりして、ひどくならないように自分でケア。
「体によさそう、自分に合っていそうと思うものは、生活に取り入れて試しています」
●楽しみも見つけて日々を豊かに
美術大学を卒業している貴久子さんが最近始めたのは「ミラーアート」。「鏡に絵を描いてくれない?」と頼まれたのがきっかけだそう。繊細で華やかな絵が鏡から浮き出てくるようで、展示会でも好評です。
「体調は悪くなる前に整える。ネガティブな思いがきたら、考えるのをやめる。病気からペースダウンすることは覚えたかな」