「必ず複数得点できるのはポジティブ」と霜田監督は言うが...悲願のJ2復帰へ、J3で3年目の松本山雅に求められる失点減
だが、22年はJ3で4位、23年は9位と順位を下げている。これはクラブにとって大きな誤算だった違いない。
23年に就任した霜田正浩監督は昨季のチーム編成に関わっていなかったというが、勝負の24年に向けては自ら補強に乗り出し、山本康裕、高橋祥平、馬渡和彰というJ1で経験豊富なベテランを獲得。他クラブで実績を残した浅川隼人、安藤翼といった選手も加えて、新シーズンに突入。開幕のテゲバジャーロ宮崎戦を2-1で勝ち、力強いスタートを切ったはずだった。
「複数得点を取って勝つ」という指揮官の哲学を実践すべく、山雅は気温1度の極寒の本拠地サンプロ・アルウィンで格上のチームを序盤から圧倒した。山口一真、山本龍平の左の縦関係を軸に敵陣に迫り、最前線の浅川に合わせる形が何度も見られ、セカンドボールを拾って二次攻撃を繰り出す場面も少なくなかった。
前半のシュート数は山口の2本に対し、山雅は12本。相手を大きく上回るなか、大卒3年目のボランチ住田将が23分に先制点をゲット。1-0で前半を終えた。
迎えた後半、立ち上がりは巻き返しを図ってきた山口に少しペースを握られたが、山雅は前線からのハイプレスとハードワークを継続。追加点さえ奪えれば、無難に90分で終わる流れだった。ところが、69分に昨季からの大きな課題であるクロスからの失点。延長戦に入った。
その延長前半は、82分に途中出場した山本康が異彩を放つ。左CKの流れから野々村鷹人のチーム2点目をお膳立てすると、さらに自身のFKから野々村が3点目を叩き出す。これで山雅は完全に勝ち切ったと思われた。
けれども、延長前半終了間際にまたもクロスからゴールを割られると、同後半にはパワープレーに出てきた相手の蹴り込み作戦に屈し、3-3に追いつかれてしまったのだ。
最終的には若き守護神・大内一生の活躍もあって、PK戦で勝ち切ることができたが、昨季からの「詰めの甘さ」や「隙」は依然として解消されていない...。そんな印象を色濃く残すことになった。
