貯蓄は貯めるのではなく「つくる」もの…食費を月1万円でおさえる家計の節約テクニックとは

家計管理して、貯蓄するには「変動費」をいかにコントロールすることかが重要に。変動費の節約テクニックについて節約オタクふゆこ氏の『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)より一部抜粋・再構成してお届けする。

使わない「自分ルール」が自然に身につくテクニック

ここでは「変動費」の節約テクニックをお伝えしていきます。

あらためて「変動費とはなにか?」を下にまとめました。固定費との違いもわかりやすいように、「固定費」のまとめも念のために入れています。

ここでは、説明用にあえて勘定科目を細かめに分類しているので、自分が管理しやすいように、もう少しざっくりまとめてしまっても構いません。固定費は原則的に一定なので、月ごとに支出を仕分けて計算する必要はありませんが、変動費は科目が多いほど「この支出は◯◯費で……」と考えて分類するのが面倒になります。

ですので、支出状況により、例えば娯楽費を交際費と一緒にしたり、被服費を美容費とまとめたりするなど、自分なりのルールを決めていきましょう。

逆に、現状における毎月の浪費額が大きくて節約の重要度が高いなら、より細かく個別の科目を立てたほうがいいと思います。

例えば、外食が浪費のおもな原因になっているなら、食費を外食費とそれ以外で分けたほうが、支出の状況が把握しやすくなることは間違いありません。

①「ついで買い」「乗せられ買い」の罠にハマらない買い物のコツ

「まったく買う気がなかったものを、つい衝動的に買ってしまった」

そんな浪費が頻発する場所は、たまに行くデパートやファッションビルよりも、むしろ日頃通っている食品スーパーです。

自炊をしようと食材を買いに行ったのに、入口に並べてあるお惣菜や菓子パンがおいしそうで、割高でも思わず購入。あるいは、試食販売のお姉さんのトークスキルに乗せられて、買う予定のなかったウインナーを3パック買ってしまうといったことは誰にでも経験があるのではないでしょうか。

もともと意志が強くて、どんな誘いにも揺るがないタイプの人であれば問題ありませんが、わたしはすぐにホイホイ乗せられてしまう、いわゆる〝チョロい客〞でした。

こういう買い物は、自分の意志で買っているのではなく、店舗の販促マーケティングに踊らされているということ。お店側は、「この位置で、この価格で、こんなふうにアピールをすれば必ず客は買いたくなるはず」と狙って販売しているわけですから、わたしはまんまとその戦略にハマっているのです。

そんなマーケティングやPRのプロたちの戦略に抗うために、わたしが実行したのは、「買い物は週1(土曜日)にする」こと。そして、「見たら負けの精神」を持つことでした。

まず、買い物に行くのは週に1回、土曜日のみと決めました。わたしの場合は、近くのスーパーが車で行く距離にあるということもあり、車で出かけて1週間分の食材をまとめて買い込みます。平日の仕事帰りは心身ともに疲れていて、お腹も空いています。仕事で嫌なことがあれば、ストレスも溜まっているでしょう。

そんなコンディションが悪い状態でスーパーに行けば、ついついお菓子やスイーツ、楽チンなお惣菜を買ってしまって当然です。

だから、金曜の夜にグッスリ睡眠をとって、心身のコンディションがいい、休みの日の土曜日に買い物に行くという作戦にしました。

そして実際の買い物では、事前に「買い物メモ」を作成し、メモに書いた商品だけをカゴに入れていきます。買い物メモの内容がすべて揃ったら、お惣菜売場やお菓子コーナーなど、誘惑の多い場所を通らないコースでレジに直行。YouTubeや本書では、さんざん節約マインドを語っていますが、わたしはもともと意志薄弱なタイプ。目にしたら買ってしまうので、「とにかく見ない」ことにしたのです。

「優先順位」や「自分軸」の話をしてきましたが、ここでも大切なのは、スーパーに行く、食材を買うという行為を自分のなかでどう位置づけるかです。

わたしのやり方は節約を最優先に考えたものですが、「買い物を楽しむこと」や、「少し割高になっても、調理時間を短縮して別のことに時間を使いたい」という部分の優先順位が高いのであれば、売り場をくまなく見て回ったり、時短アイテムを活用したりするのもいいでしょう。

ここでも、自分のなかでの「優先順位」の考え方が、大切になってくるのです。

「なんとなくコンビニ」から卒業する

次にご紹介する節約法は、「コンビニに行かない」ことです。

もともとあまりコンビニには行かないという人や、必要なものしか買わないという人には関係ないと思いますが、わたしはコンビニが大好きで、ほぼ毎日、出勤前や帰り道に特に用もないのに立ち寄り、お菓子や飲み物を買っているタイプでした。

アプリで家計簿をつけてみたところ、多い日はなんと1日に3回もコンビニに立ち寄っていました。1回あたりは400円、500円という出費ですが、積み重なると毎月数千円、多い月は1万円近い金額になっていたのです。

月4000円でも、1年間に直すと4万8000円。これはかなりの出費です。

自分のなかで、「コンビニに通って買い物をすることは優先順位が高い」と位置づけている人はいいのですが、ほとんどの人はなんとなく習慣で通っていて、そこでなにを買ったのかすら覚えていないことも多いのではないでしょうか。

そんな「なんとなく」の行動に、あなたの大切なお金を使ってしまうのは、とてももったいない。それこそ年に4万8000円もあれば、近場に旅行に行ったり、おいしいものを食べに行ったりすることもできますよね。

わたしと同じように、

● 用もないのにコンビニに行く

●「ついで買い」をよくする

● 新製品や限定品という言葉に弱い

そんなタイプの人は、コンビニでの浪費割合がかなり高いことが予想されます。

まずは、騙されたと思って1週間でも2週間でも、「コンビニに絶対に行かない」ルールを試してみてください。

いちどそう決めてしまえば、最初のうちこそ気分が落ち着かないかもしれませんが、徐々に慣れていきます。きっと、「コンビニに行かなくても困ることはないな」「行くと余計なものを買ってしまうだけだったんだ」と実感できるはずです。

みなさんもご存じのように、コンビニの商品はスーパーなどと比べて高めの価格になっています。同じお菓子や飲み物を買うのでも、スーパーでまとめ買いをすればずっと安い金額で入手できるのです。

多くの人が、「自分がどれだけコンビニに行っているか、毎月いくら使っているか」を認識できないくらい、生活の一部になっているかもしれません。しかし、そこに節約や貯金のヒントがあるのです。

自炊で実現! 食費1万円生活

浪費メンタル時代のわたしの1カ月の食費は4万円でした。その頃を思い返すと、自炊はほぼゼロ、昼ごはんはコンビニか外食、夜も週に1回~2回は外食で、それ以外の日もお弁当やお惣菜を買って済ませていました。

「毎日仕事で疲れているし、自炊する気力なんてない。時間をお金で買おう」という気持ちだったのです。しかし、自炊をしないぶん、ほかのことに有意義に時間を使えていたかというと、まったくそんなことはありませんでした。

帰宅後はお弁当やお惣菜で食事を済ませ、そのあとは特に目的もなく、ダラダラとスマホを見ていたら、あっという間に寝る時間……。そんな過ごし方をしていたのです。時間もお金も、すごくもったいない使い方をしていたと反省するばかりです。

食にこだわりがあって、「自炊節約するよりも、おいしいものを食べるためにお金を使いたい」と思っている人なら、自炊にこだわらなくてもいいでしょう。

でもわたしは、単にめんどうくさいという理由でそんな食生活をしていたので、選ぶものも適当で、毎日の食事に対する満足度も高くありませんでした。

貯金メンタルに切り替えてからは、外食は月に1回程度に抑え、食事はほとんど自炊をするようになったことで、月の食費を1万円に抑えることができました。

最近は、「ウーバーイーツ」などの配達サービスを使って調理の時間を省くなど、「時間対効果(いわゆるタイムパフォーマンス=タイパ)」が大事にされている傾向もあるようです。確かに、共働きの家庭や、仕事が猛烈に忙しい人は、それらをうまく活用することで効率化を図れるでしょう。

時間がなければ心に余裕は生まれませんし、仮にお金のことを真剣に考えていても、マネーリテラシーを高めるための勉強もままなりません。ですので、本当に時間がないという人に限っては、自炊のような時間がかかる節約は不向きかもしれません。

ただし、自炊といっても、じっくり時間をかけて凝ったものをつくる必要はないと思います。わたしの場合でいえば、食材の半分くらいは缶詰やパウチ、冷凍食品を活用することで、手間ひまをかけず、なおかつ安い金額で自炊生活ができています。おおまかな記録ですが、わたし(20代女性ひとり分)の「1カ月・1万円」の食費内訳を紹介します。

「これは、自炊なのか……?」と思われた人もいるかもしれません。それでもわたしは、胸を張って「自炊である」といいたいです。

野菜は冷凍のものやカットしたものを活用することで、品質劣化を気にせずに必要量だけ食べられるので、結果的にコストを下げることができますし、お肉にしても、行きつけのスーパーでは鶏胸肉を1㎏単位で買うと100gあたり40円まで下がるので、それを活用しています(ずっと鶏胸肉だけだとさすがに飽きがくるので、鶏もも肉や豚肉、牛肉なども安いタイミングを狙って買っています)。

また、食材を買う際には、たんぱく質や野菜(ビタミン・食物繊維)、炭水化物という栄養素のカテゴリ分けを意識するようにしています。『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)を参考に、できるだけ栄養のバランスがよく、健康にいい食生活を心がけています。 さらに会社員時代は、1万円で買った1カ月分の食材で、平日のお弁当もつくっていました。ただし、お弁当のために毎朝早起きなんて面倒なことはしたくありません。 おすすめは、休日に1週間分のお弁当を一気につくって冷凍しておくことです。

これなら、冷凍野菜もそのまま入れるだけで済みますし、職場にある電子レンジでチンするだけで、準備完了です。

「そんな質素な食事で満足なの?」と思った人もいるかもしれませんが、これも自分軸と優先度の問題です。わたしの場合は、もともと大好きなつけ麺や、友だちや家族との会食以外は、食事にそれほどこだわりがありません。

ただ、おいしいものは大好きなので食事自体の優先度は高いのですが、節約生活を通じて、高級なものや派手な食材でなくとも、お手頃価格のものや素朴な食材で十分おいしいと気づくことができました。

食費を減らしたぶん、大好きなオンラインゲームや、将来のための貯金や投資にお金を使えるようにもなりました。

「食事にはもっとお金や手間ひまをかけたい」という食事の優先度が高い人は、食費以外の部分でできる節約を実践していけばいいでしょう。

『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)

節約オタクふゆこ

2023年12月20日

1,540円(税込)

単行本(ソフトカバー) : ‎ 268ページ

ISBN:

4776213109

借金450万円、貯金40万円➡4年で資産1000万円達成!

大人気節約系YouTuber初の著書!!

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「浪費メンタル」から「貯金メンタル」にチェンジしたことで、わずか4年で資産1000万円を達成することができました。

「お金を貯めよう!」と考えたとき、一番大事なのは自分と向き合い、心を整えて「貯金メンタル」をつくることです。自分と向き合うことをせず、節約テクニックや貯金のコツの上辺だけをマネしても、成果を出すことは難しいでしょう。

お金の使い方は、その人のメンタル、つまり心と連動しています。ですので、まず心を整えてから、テクニックを学ぶという順番が重要です。

浪費や無駄遣いをしてしまう傾向にある人は、感情に流されやすく、ストレスを理由に浪費を正当化する、「浪費メンタル」になってしまっています。

「浪費メンタル」から「貯金メンタル」にチェンジするためには、

●自分らしいお金の使い方とは何か?

●人生の中で本当に大事にしたいこと、お金や時間を費やしたいものは何か?

という、自分軸を持つ必要があります。この自分軸が明確になれば、

●衝動買いや無駄遣いがなくなる

●お金がしっかり貯められる

●本当に大事にしたいモノやコトにお金や時間が使える

●人生の満足度が上がる

という、嬉しい結果を得ることができるのです。

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