組織のイメージに悪魔(サタン)を掲げる新興宗教「ザ・サタニック・テンプル」の活動の一環として、テネシー州メンフィスの小学校で放課後サタンクラブが発足しました。保護者らが抗議活動を行うために学校の外に集まりましたが、会合は無事に終わり、参加した子どもたちは「楽しい時間を過ごした」と伝えられています。

Tennessee after-school Satan club holds first meeting despite protests | Tennessee | The Guardian

https://www.theguardian.com/us-news/2024/jan/11/tennessee-after-school-satan-club-satanic-temple



Launch of ‘After School Satan Club’ draws protest at Chimneyrock Elementary

https://www.actionnews5.com/2024/01/11/launch-after-school-satan-club-draws-protest-chimneyrock-elementary/

ザ・サタニック・テンプルのホームページによると、同組織はサタンや超自然的な何かを信じているわけではなく、サタンをあくまで「権威に対抗する永遠の反逆者の象徴」として置いているに過ぎず、活動方針として、宗教と迷信を切り離し、超自然主義や古い伝統に基づく迷信から離れた合理的な探究を受け入れることを目指しているとのこと。同組織は、内国歳入庁と連邦裁判所制度によって教会として認められた、唯一の悪魔の宗教団体とされています。

活動の一環として子どもたちの知的および創造的な関心を育むことを目的とした「放課後サタンクラブ」を展開していて、すでにカリフォルニア州やオハイオ州、コネチカット州でも同クラブを発足しているそうです。放課後サタンクラブで何をしているのかというと、子どもたちを集めて科学プロジェクトや社会奉仕プロジェクト、パズルやゲーム、自然活動、美術品や工芸品の制作などを行っており、子供たちを悪魔崇拝に改宗させるのではなく、科学的根拠に焦点を当てた自由な探求と合理主義の育成に励んでいるとされています。



テネシー州初となる放課後サタンクラブはメンフィスにあるチムニーロック小学校で発足しました。具体的にどんな活動が行われたのかは不明ですが、ザ・サタニック・テンプルの広報担当者は「子どもたちはとても楽しい時間を過ごしました」とだけ語ったそうです。

会合が行われることを知った保護者らは学校の外に集まり抗議活動を行いました。何人かは聖書や聖歌から引用した「罪の代償は死だ」「イエスの血には力がある」などの文言を掲げて道行く人にアピール。抗議活動の主催者は「この戦いは学校と悪魔クラブとの戦いではありません。神と悪魔クラブとの戦いなのです。神がそれを倒されるのです」と語りました。



一方、放課後サタンクラブの広報担当者は「私たちは宗教を無理やり学校へ持ち込んだわけではありません。学校で別の宗教クラブが活動していない限り、私たちは活動しません」と述べ、自身らの会合には正当性があると主張しました。実際、チムニーロック小学校では福音派のクラブが以前から活動を行っていたそうです。