レシピの材料にあるとついつい敬遠してしまい、「牛乳で代用できないかな?」と考えてしまいがちな「生クリーム」。ほんの少し使って余ってしまったときの活用方法が知りたい! という方に朗報です。

元イタリア料理店店長で、Instagramで料理を発信している朝倉駿さんに、『究極のうまみレシピ』(飛鳥新社刊)から、その解決方法を教えてもらいました。

生クリームは牛乳では代用できない!

つい余りがちになってしまう生クリームですが、値段も高く、少し使うくらいなら牛乳ですませたいというのが本音の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「じつは生クリームは、使い方がいくらでもあるんです」と朝倉さん。
「砂糖を加えて泡立てればホイップクリームになるし、カルボナーラにも使うし、鶏モモ肉と野菜を煮込んで生クリームを加えればチキンクリーム煮込みになります。だから、なんにでも使えるよと言うのが僕の本音です(笑)。
おそらく多くの人が『生クリームが余るのがイヤ』→『牛乳で代用』と考えると思うのですが、やっぱり代用はできないです。牛乳の質感と生クリームのまろやかさは全然違うので。
ちょっと厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、レシピに生クリームが出てきたら、生クリームを使ってください。牛乳ではつくれないし、代用はできません」

●生クリームは、どんな料理とも合わせられる万能食材!

それでは、余った生クリームはどうたらよいのでしょうか?
「なににでも“ちょっと”入れてみるのはどうでしょうか? たとえば、トマトソースに生クリームをちょっと加えてトマトクリームに。キーマカレーにちょっと加えるとまろやかなコクが出ますし、肉ジャガに加えれば和風クリーム煮込みになりますし、辛味強めのよだれ鶏ソースに、少し生クリームを加えてまろやかにするのもありです。つまり、想像してみて、いけそうだと思う料理なら、生クリームを少し入れて台無しになるようなことはほとんどないのです!」

酸味が飛んでまろやかに!本格ナポリタンのつくり方

生クリームを使ってまろやかにした、大人のナポリタンのつくり方を教えてもらいました。

●本気ナポリタン

【材料(1人分)】

パスタ(1.9mm) 100g
タマネギ 30g
ピーマン 1/2個
マッシュルーム 2個
ニンニク 1かけ
ウインナソーセージ 2本
オリーブオイル 大さじ2
ケチャップ 40g
みりん 大さじ1
パスタのゆで汁 50ml
生クリーム 大さじ1
バター 10g
黒コショウ 適量

【つくり方】

(1) 1Lのお湯に塩小さじ2(分量外)を加え(塩分濃度1%)、パスタをゆでる。タマネギ、ピーマン、マッシュルーム、ニンニク、ソーセージはスライスする。

(2) フライパンにオリーブオイル大さじ1をひき、中火にかけてソーセージを炒める。焼き色がついてきたら弱火にしてニンニクを炒め、香りが立ったら中火にしてタマネギ、マッシュルーム、ピーマンの順番で炒める。

(3) 具を端に寄せ、あいたところでケチャップ20gを炒める。全体を混ぜ、みりんを加えてアルコール分を飛ばし、パスタのゆで汁を加える。

(4) 水気をきったパスタを加えて混ぜる。弱火にして、ケチャップ20g、生クリーム、バターを加えて全体をあえる。

(5) 器に盛り、オリーブオイル大さじ1をかけ、黒コショウをふる。

「ナポリタンといえば、喫茶店で食べるような懐かしいケチャップガツン系もいいのですが、レストランで出てくるような、優しくてリッチなナポリタンも好きなんですよね。もちろん『大さじ1を使って余ったぶんはどうしよう…』となる気持ちもわかります。でも、そこで使うのをやめちゃったら、『生クリームをちょっと加えたらおいしくなるかも!』というワクワクの機会まで逃してしまうことに。生クリーム、ぜひ買って、使って、余らせちゃいましょう。余らせたおかげで、生クリームちょい足しでおいしくなる料理が見つかるかもしれません!」

ほかにも余らせた生クリームを最大限に活用できるレシピは『究極のうまみレシピ』(飛鳥新社刊)に載っています。