おしゃれな部屋にしたいと思ったら、アクセントクロスを検討してみましょう。2年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、設計士のアドバイスで、シンプルな白い壁紙を多用した家に。しかし、この選択を後悔しています。理由は、ごく普通の家具や小物を置いだけでは、いまいちいい雰囲気にならないから。詳しく語ります。

設計士のアドバイスで白い壁紙を多用した家に

筆者は夫と子ども2人(4歳と7歳)の4人家族。2年前にハウスメーカーで、38坪の2階建ての注文住宅を建てました。

家づくり当初は、おしゃれな家を実現しようと、InstagramやTwitter(現X)、YouTubeなどチェック。アクセントクロスを採用したいと思っていました。

しかし担当の設計士からは「シンプルな白い壁紙の方が、家具とも合わせやすい。見ていて飽きませんよ」とのアドバイスが。

予算をオーバーしていたこともあり、アクセントクロスを減らすことにしたのです。結果、アクセントクロスを採用した場所は、一部の部屋の天井や水回りなどごくわずか。

しかしこの判断は間違っていました。住んで2年が過ぎ、もっとアクセントクロスを使えばよかったと後悔しています。

 

建ててからおしゃれな雰囲気にするのは難しい

住み始めてから1年は、新しい家がうれしくて、とくに不満はありませんでした。しかし最近は、「シンプル過ぎてなにかものたりないね」「ウチは自慢できるおしゃれな部屋がないかも」などと、夫婦で話すように。

たしかに高級家具や、おしゃれなインテリア小物がたくさんある家なら、白い壁紙でもいいでしょう。しかし、わが家はごく一般的な家庭で、そんなものはありません。

最初からアクセントクロスを採用していたら、簡単におしゃれな雰囲気になったはず。しかし、あとからおしゃれにするのは、難易度が高いと感じています。

 

上の写真はキッチンの壁です。壁紙ではありませんが、最初からアクセントで大建工業の「グラビオエッジ」という、本物の石材と見間違うような壁材を採用しました。また、この壁の前にあるのは、ハウスメーカーの標準仕様に入っていた棚です。

アクセントウォールと高そうな木目調の棚の組み合わせは、それがあるだけでいい雰囲気。家づくりの段階で決めたので、たいして悩まずおしゃれな雰囲気にすることができました。

アクセントクロスを使えばよかった4つの場所

設計士のアドバイスと、予算削減(数万円ですが)のために削ったアクセントクロス。採用していればよかったと思う場所が4つあります。

 

●玄関を入った正面の壁

その1つが、玄関を入った正面の壁(写真)。ここをアクセントクロスにすればよかった! エコカラットのような凹凸のある、石や陶板のような風合いの壁にしていれば、玄関がもっとおしゃれな雰囲気になっていたはずです。

 

●リビングの天井

2つ目はリビング天井(写真)です。約20畳あるリビングの天井に、木目調のアクセントを入れると、満足度が高かったのではと思っています。

 

●子ども部屋の壁

3つ目は子ども部屋の壁です。子ども部屋はすべて白系で統一しています。しかし、子どもの好きな色を聞いて、アクセントで入れてもよかったと思います。きっと色があると、子どもも喜ぶかわいい部屋にできたでしょう。

かわいい壁紙だと、「大きくなったらかわいそうでは?」という意見もあると思います。しかし、子どもが大きくなる頃には、壁紙の張替え時期になっているはず。そのときは落ち着いた色の壁紙を選べばいいのです。

 

●トイレの壁

最後にトイレ(写真)。わが家は1階のトイレをすべて白色で統一しています。白でも模様が入った壁紙にしたのですが、それだけではものたりない印象。色でのアクセントが欲しかったなと後悔しています。

アクセントクロスにして満足している場所も!

わずかですがわが家で、意識してアクセントクロスを入れた場所があります。それは、和室と主寝室の天井。

和室に関しては、つながっているリビングとの統一感が出るように、同じ白系の壁紙にするか悩みました。しかし、雰囲気を変えることができて満足しています。

 

こちらは、和室の天井です。明るい木目調のアクセントクロスを選びました。

 

そして、こちらが主寝室の天井。落ち着いた色味の木目調アクセントクロスを貼っています。

筆者が、和室と主寝室の天井に白い壁紙を貼らず、アクセントクロスにこだわったのには理由があります。それは、この2つが寝る部屋として使う部屋だからです。

子どもの頃に住んでいた家で筆者は、むき出しの梁(はり)を見ながら寝ていました。そして、その梁のぬくもりを、大事な思い出として覚えています。そのせいか、今でも木目の天井を見ると、安心してよく眠ることができます。

子どもが大人になっても、筆者と同じようにこの家で寝たときのことを、よい思い出として覚えていてほしいと思い、天井を木目調にしたのです。

アクセントクロスを使えば、簡単に雰囲気を変えることができます。そのうえ意外と安価。ですから、削っても大きな減額は望めませんし、わが家のように住んでから後悔する可能性もあります。

家具や建具を、すべて白色で統一したい、といった特別な理由がなければ、アクセントクロスを検討する価値はあると思います。