45歳の年の差婚で世間をにぎわせた、ザ・ドリフターズの加藤茶さんの妻・綾菜さん。結婚当初の壮絶なバッシングを乗り越え、夫婦生活は13年目に突入。そんな綾菜さんに、今後について考えていることをお話いただきました。

「僕がいなくなっても綾ちゃんが生きていけるように」

「結婚して12年経った今でもラブラブです。加トちゃんへの思いも、年を経るにつれ恋から愛、愛から母性へと進化していますね」

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そう顔をほころばせるのは、ザ・ドリフターズの加藤茶さんと「45歳の年の差婚」で一時期世間をにぎわせた、加藤綾菜さん。結婚当初68歳だった茶さん、23歳だった綾菜さんも、今は80歳と35歳に。この先の人生を、ふたりはどう見ているのでしょうか。

 

●未来に不安がないわけではない

「年齢が年齢なので、いずれ私ひとりだけになったときのことを考えると、不安がまったくないわけではありません。でも、ある時期を境に、前向きになれました。以前、『もし加トちゃんがいなくなってひとりになったら寂しい』と、泣きだしたことがあったんです。そうしたら『大丈夫だよ。僕が死んでもまた生まれ変わってきて綾ちゃんを探すから、大丈夫』って。それだけでも涙が出るほどうれしかったのに、さらに、私のためにアクションを起こしてくれたんです」

茶さんは自身の死後、綾菜さんがタレントとして活動していけるよう、事務所を紹介してくれたのです。

「私はずっと専業主婦として裏方に回り、加トちゃんのサポートに徹してきました。でも加トちゃんからしてみたら、ひとりの女性として自立してほしいという思いがあったようで。『僕が亡くなったら多分いろいろ報道されるだろうから、守ってくれる人がいたほうがいい』と考えてくれたようです」

綾菜さんの将来のために事務所という後ろ盾を用意してくれたという茶さんに、深い愛情を感じずにはいられません。

 

●綾菜さんが家を空けるときは毎食分の食事と“付添人”の手配も

一方で、綾菜さんも、茶さんが今もこの先も輝いていられるよう、日々サポートに余念がありません。例えば、自身が仕事で3日程度家を離れるときは、茶さんがいつも通りの安心安全な日常を送れるよう準備して東京を発つそう。

「もちろん、食事はつくり置きしていきます。3日家を空けるなら3日分の食事をつくり、その日の献立を全部紙に書いて、いつなにを食べたらいいのかひと目で分かるようにしています。飲み物も4種類くらい買っておいて並べておきます。私がいなくても生活が回るように。
それでも、私の不在時に加トちゃんが外出したくなったら、タレントの鈴木奈々ちゃんなど共通の女友達の電話番号を紙に書いておき、そこに連絡すれば友達が外に連れて行ってもらうよう、友達にも頼んでいるんです。ただ、そのせいで不倫報道が出てもいけないので(笑)、友人のパパも同席していただいて、3人で食事に行ってもらっています。
加トちゃんは、私と結婚するまで運転手さんや付き人さんが一緒にいる生活しかしていなかったので、ひとりで外に出た経験がほとんどないんです。スーパーに行ってもセルフレジの方法とか分からない。だから、心配で。ここ数年、ようやくひとりでコンビニくらいは行けるようになりましたけど。こんなんだから、私が先に死んだら、あと追い自殺するんじゃないかと思って聞いてみたら『おれは死なない。強いから』と胸を張っていました(笑)」

加トちゃんが今の自分を引き出してくれた

それにしても、ここまで甲斐甲斐しく茶さんのサポートができるのは、愛があるのはもちろん、元来持ち合わせている綾菜さんの「尽くし体質」などもあるのでしょうか。

「いや、それが私のなかに尽くしてるって感覚はないんです。そもそも尽くす体質ではないんじゃないかな。実際、加トちゃんの前につき合っていた人には尽くしていませんでしたから(笑)。加トちゃんが今の自分を引き出してくれたんです。私自身、『自分にこんな一面があったんだ』と驚いています。加トちゃんだからしたくなるのはなぜかというと…、結婚当初、バッシングを受けて大変だったとき、守ってくれた恩があるからだと思います。
じつはバッシングを受けていた頃、加トちゃんの事務所には何万件もクレームが入っていたとか、当時彼の周りのほとんどの人は結婚に反対していたという事実を、加トちゃんは私に隠していたんです。私に言うとますます傷つくと思ったんでしょうね。それを知ったとき、今度は私が彼を守っていかなきゃ、と強く心に誓ったんです」

●加トちゃんがいつまでも舞台に立てるように支えたい

また、茶さんの輝く姿を見続けていたいと話します。

「以前加トちゃんに、『何のために生きているの?』って聞いたことがあるんです。『綾ちゃんのためだよ』とはいうんですけど、絶対違う。たくさんの人に笑ってもらうために、芸人として生きていきたいという思いが、いちばんなんですよ。
私と一緒にいて幸せを感じてくれる部分も多少はあると思いますが、やっぱり舞台に立っているときの加トちゃんはいちばん楽しそう。あの輝いている姿を見ていると、加トちゃんの居場所は舞台なんだな。彼が舞台にいつまでも立てるように支えていかなきゃ、と思うんです」

茶さんの健康のため、減塩食を学んだり、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を修了したりと研鑽を続ける綾菜さん。かねてより取得していた食育インストラクター、生活習慣病予防アドバイザー、介護食アドバイザーもあわせると、いつなにがあっても、茶さんを守っていける“知の武装”はバッチリです。

「でも、まわりまわって、私も幸せなんですよ。加トちゃんを健康にしようと思って食や温活の情報を集めて実践しているうちに、私までどんどん健康になってきたから。減塩食になって足のむくみも減ったし、温活を始めて基礎体温も上がったんですよ」

「情けは人の為ならず」と言いますが、相手のためにしたことが自分にも返ってくる。夫婦間で“幸せの循環”ができているようです。