人生の折り返しでもある50代以降は、これから先のお金について真剣に考え始める人も多いのではないでしょうか? 49歳のときに母の介護がきっかけで築50年越えの団地に引っ越した54歳のブロガー・きんのさんも、お金についての心配が尽きなかったと言います。

きんのさんの日々の節約や時短、インテリアの工夫をまとめた著書『54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし』(扶桑社)より、老後のお金の不安を解消するためのアイデアをご紹介します。

お金の不安が尽きなかった50代。「見える化」で前向きな気持ちになれた

お金について不安を強く感じたのは、30代で離婚をしたときだったというきんのさん。

「当時、当座の生活費程度の貯蓄はあったものの、派遣社員の月給では食べるのが精一杯。マンションから格安アパートへ引っ越し、学生時代のような6畳一間暮らしをしていました。狭いキッチンと小さなお風呂はあったものの、質素な暮らしに不安は募るばかり。この先のお金のことが心配で眠れない夜が続きました」

そんなきんのさんでしたが、ある夜、自分はなにが不安なのか思うままに書き出してみたところ、心がスッキリしたんだとか。

「不安を『見える化』したことで、『こうすれば案外大丈夫かも』と具体的に対処法を考えることができるようになったんです。それを行動に移すことで少しずつ不安が減っていきました。その後、友人からの励ましのおかげもあって希望する会社の正社員となり、収入も大幅アップ。1年経たずに駅近のUR賃貸に引っ越して、さらに数年後、貯めたお金で新築マンションを購入しました」

●老後を見据えた「月12万円のプレ年金生活」

不安を書き出し、行動に移すことで前向きな気持ちになれたというきんのさん。ところがその後、母の介護がきっかけで購入したマンションを手放し、団地へ引っ越すことに。マンション購入と団地のフルリノベーションで貯蓄の大部分を使い果たし、老後の資金がたりないことに50代で気がついたそうです。

「愚かだなと落ち込みましたが、今度は立ち直りが早かったんです。それは、あの6畳一間の夜に、不安から逃げるのではなく、向き合うことが不安解消につながるとわかったから」

そんなきんのさんが考えた老後の資金問題の解決策のひとつが、「月12万円のプレ年金生活」でした。

「50代の今から月12万円の予算で暮らし、「大丈夫」を積み重ねていく。家計の問題を早期発見し、予算内で豊かに暮らす知恵を絞り、不安を安心に変えていく作業です。まだ50代。気力も体力もあるし、今動き出せば老後に向けてゆっくり準備を整えていけると考えました。年金生活の予習ができて貯蓄も順調に増えつつあり、始めてよかったと思っています」

不安の前にまず試算。老後に月いくらあればいい?

きんのさんが今とくに心配しているのが、老後の資金のこと。雑誌やテレビで「老後資金に2000万円必要」「将来、年金はもらえなくなる!?」といった情報を目にしては、「お先真っ暗のような気分」になったそうです。

そんなとき、きんのさんが実践したのが、老後のお金がいくら必要か試算すること。

「不安に向き合うためにまず情報収集をしました。総務省のホームページで見られる『高齢ひとり暮らし世帯の支出』を参考に、自分の場合だと月にいくら必要か試算してみることに。食費は自炊派だからこんなにかからないとか、住居費はもう少しかかるとか。結果、月12万円もあれば慎ましくも私らしい暮らしができそうだと思えるようになり、老後の生活が具体的に見えてきました」

●「高齢ひとり暮らし世帯の支出」を自分流にアレンジ!

 

「老後2000万円必要」の根拠ともなるこの統計。でも、平均値なので住居費が約1.3万円と激安だったり、「その他」の詳細が不明だったり、自分の場合に当てはめにくい。そこで、これを自分流にアレンジします。

食料、住居、水道光熱費をこれまでの家計簿から予算立て。楽しむこと、学ぶことは生きがいにつながるから教養娯楽はしっかり確保、その分「その他」は余剰金扱いにして少なめに設定。

『54歳おひとりさま。古い団地で見つけた私らしい暮らし』(扶桑社)では、団地暮らしのメリット・デメリットや、年金生活の予習としての月12万円生活、お楽しみも大切にする食費節約のコツといったアイデアをたっぷり紹介しています。