フランスと日本で違う「クリスマス」の過ごし方。年に一度の贅沢な集まりに食べるもの
年末年始はイベントごとが増えますが、一年中ホームパーティをしているフランス人はイベント時になにを食べているのでしょうか? フランス文化研究者でフランス人の夫と暮らすペレ信子さんが教えてくれました。
パーティ慣れしているフランス人が年末年始に食べるもの
もうすぐクリスマス。そしてそのあとすぐに新年のカウントダウンパーティがやってきます。一年中ホームパーティをしているフランス人がいつもにも増して人と集まる季節。パーティの達人たちはどんなものを持ち寄るのでしょう。
●クリスマスパーティとカウントダウンパーティの位置づけ
コロナ禍に控えていたクリスマスパーティも今年はそろそろ解禁という方もいるのではないでしょうか。日本ではクリスマスは友人と、お正月は家族や親戚と、というのが一般的でしょう。フランスではちょうど反対です。クリスマスは家族と集まる日でカウントダウンパーティは友達と思い切りさわぐ、というのがフランス風。1月1日は祝日なので、前夜のパーティ疲れからゆっくり家で休んでいたりします。
バカンス好きのフランス人、さぞかし長いクリスマス休暇を取るのではと思われますが、カレンダーどおりの祝日12月25日と1月1日のみ会社を休み、2日から出勤という人も多いのです。
●1年に一度の贅沢。カウントダウンパーティに食べるもの
12月24日の夜、信仰心の深いキリスト教信者ならクリスマスのミサに参加してそのあと、もしくは25日に家族や親戚で盛大な食事会を行います。クリスマスによく食べられるのは生牡蠣、七面鳥の丸焼き、そしてビュッシュ・ド・ノエルと呼ばれるクリスマスのロールケーキ。これは食事会を主催する家で用意していることがほとんどです。
それに対して、カウントダウンパーティは友達同士の集まりです。いつもは簡単料理ですませていても、この日は1年に一度の贅沢な食事会。負担がかからないように手分けしておいしいものを持ち寄ります。ある人はフォアグラの缶詰、ある人はシャンパン、ある人はデザートのケーキ。クリスマスと同じビュッシュ・ド・ノエルを食べることもありますが、冬の持ち寄りに便利なアイスケーキを持っていくこともあります。
●パーティに便利な持ち寄りレシピ
なかには「アペロ・ディナトワール」と呼ばれるおつまみのようなフィンガーフードばかりのスタイルのパーティもあります。立食だったり、何人来るかわからない持ち寄りの場合は、持ち運びしやすくて簡単につまめる料理が重宝します。
今回は、フランス人の夫のおばあちゃんもよくつくっていた簡単レシピをご紹介しましょう。泡にも白ワインにもよく合います。
●さっぱりケーク・サレ
【材料(24cmパウンド型1本)】
白ワイン 100ml
サラダ油(オリーブオイルでも可) 100ml
卵 3個
ピザ用チーズ 70g
薄力粉 200g
ベーキングパウダー 小さじ1
塩 小さじ3/4
ハム(できたら厚切り) 100g
オリーブ(黒でもグリーンでも・種無し) 適量
【つくり方】
(1) ボウルに白ワイン、油を入れて混ぜ、卵も溶き卵にして加える。チーズ、振るった薄力粉、ベーキングパウダー、塩を入れて混ぜる。ハムは角切り、オリーブはそのまま加えて全体を混ぜる。
(2) パウンド型に油を塗って薄力粉をまぶし、(1)の生地を流し込む。190℃のオーブンで45分焼く。
立食パーティ用には、2cm角に切ってカゴなどに入れると食べやすくかわいいです。
●クリスマスは厳かに。年末は友達とはしゃぐ
日本のお正月のようにちょっとかしこまった雰囲気で家族と集まるクリスマス。お互いの負担にならないように持ち寄っておいしいものを食べるカウントダウンパーティ。というのがフランス人の年末年始の模様です。