SNSに投稿する日々のコーディネートが話題を呼び、「シニア世代のファッショニスタ」「70代のおしゃれ番長」とメディアでも大注目されている女優・柏木由紀子さん。ファッションだけでなく、日々の暮らしや自宅インテリアなどにも注目が集まっています。

今回は、12月24日の76歳のお誕生日を迎える直前に上梓した『柏木由紀子ライフクローゼット』(扶桑社刊)より、19年前に立て替えた自宅のこだわりや趣味の麻雀について、ご紹介します。

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思い出の自宅は19年前に建て替え。細部までこだわった“私のお城”です

今から19年前の2004年に、長年暮らした自宅を建て替えました。夫・坂本九や娘たちとの思い出が詰まった理想の家でしたが、数十年経つとあちこちが傷んでくるし、使いにくい部分も出てきて…。娘たちも独立する年齢だったのでコンパクトな家に住み替える方法もありましたが、私は夫と暮らした家をどうしても守りたかったんです。

リフォームをするか、思いきって建て替えるか。何年も悩んだ末に、建て替えを決意しました。外観は前の家とあまり変えず、中は明るく解放感のある空間に。建て替えを機に、ひとり暮らしをしていた高齢の母と同居することになったので、エレベーターもつけました。

ドアや取っ手ひとつにもこだわりたくて、あちこちのショールームへ足を運んだり、インテリア雑誌を見たり…。設計プランが決まるまで1年ほどかかったでしょうか。ついに理想通りの家が完成したときのうれしさは、今でも忘れられません。

●タイル貼りの床を、毎日せっせと床掃除。これがじつはエクササイズに!

リビングで重視したのは、「とにかく明るい空間にしたい」ということでした。天井は高くし、天窓も設けてたっぷり光を取り込めるように。家具や床も明るい白でそろえています。

夫のお仏壇は、リビングの中心へ。別の部屋に置くのではなく、いつでも見守ってもらえる場所に配置したかったんです。

リビングにはローテーブルを置かず、小さな丸テーブルを並べるスタイルに。動かしやすいのでお掃除もラクだし、読書や編み物のときも便利。数を増やせばホームパーティにも対応できます。家具屋さんに高さやサイズの希望をお伝えして、オーダーしました。

また、掃除がしやすいよう、床はタイル敷きにしました。前の家はカーペットやフローリングでしたが、犬と暮らしているとどうしても傷んでしまうんです。

毎朝、時間をかけてお掃除に励むようになったのも、家を建て替えてからの大きな変化です。「ロボット掃除機を買ったら?」と娘からは言われるけど、エクササイズも兼ねて、毎日フロアワイパーでせっせと床掃除をしているんですよ(笑)。やっぱり、一から自分で選び抜いて建てた家だと思うと、自然と愛着が湧いてくるもの。以前よりも、ずっと家を大切にするようになりました。

趣味を楽しむ場所があることで毎日が充実

子育てと仕事に忙しかった頃はこれといった趣味もなく、人づき合いにも熱心ではありませんでした。見かねた娘たちに「ママ、趣味をつくった方がいいんじゃない?」と言われたことも。でも、家を建て替えてからは、自然と人を招く機会が増えてきました。

●麻雀やギターの弾き語りで日々を生き生きと過ごせるように

そんな中、新たに見つけた趣味が麻雀。学生時代の同級生に麻雀好きの方がいたのをきっかけに、わが家で麻雀大会を開くようになりました。意外に負けず嫌いな性格の私にとっては、夢中になれる趣味のひとつなんです。

ひとりの時間も、ギターの弾き語りを練習したり、香水のコレクションコーナーを整えたり。コロナ禍で外出できない時期も、趣味のおかげで充実した時間を過ごすことができました。

夫・坂本九の思い出コーナーも設置

家を建て替えるときに、絶対につくろうと決めていたのが、夫の思い出のものを飾るためのコーナーです。もちろん以前の家でもところどころに写真や記念品は飾っていましたが、専用のスペースはありませんでしたから。北海道にある「坂本九記念館」とは別に、自宅にも思い出の詰まったアイテムを集めたギャラリーのような空間をつくりたいとずっと考えていたんです。

●夫の功績を見るたび、うれしく、誇らしい気持ちに

ここに飾っているのは、おもに「上を向いて歩こう」にまつわるもの。1963年にアメリカの音楽チャート誌・ビルボードで1位を獲得したときの記事や受賞したゴールドディスクをはじめ、さまざまな音楽賞でいただいたトロフィーや楯、レコードジャケットを並べています。

お客様がいらしたときに真っ先にこのコーナーが見られるよう、リビングへ入ってすぐの場所へ配置しているのもこだわり。私自身も、この空間が目に入るたびにうれしく、誇らしい気持ちになれるんです。

 

『柏木由紀子ライフクローゼット』(扶桑社刊)はただいま発売中。