すっきり暮らしの60代が「捨てない」もの4つ。“今着ない服”は処分せずに寄付
白と青とナチュラルカラーを基調とした北欧スタイルの家に暮らす、刺しゅうデザイナーの青木和子さんは現在、70歳。本当に好きなものだけを残したことで、暮らしが心地よくなり、ものを買うときは、これまで以上に慎重になったと言います。ここでは、青木さんが“手元に残すもの”の基準や、健やかに、楽しく暮らすためのヒントを教えてもらいました。
気に入ったものは大切に使い続けます
使いやすい道具やアイデアノート、人間関係も、大切なものとは「長く」つき合いたい派という、刺しゅうデザイナーの青木和子さん。
【写真】古いアイデアノートはバンカーズボックスにまとめて入れて保存
「必要のないものや今の自分に合わなくなったものは潔く手放しますが、捨てるのは“苦しい”もの。気に入ったものは大切に、できるだけ長く使いたいと考えています。アイデアノートは刺しゅうを始めた頃のものからずっと持っていて、見返すと参考に。近所のママ友や仕事相手も、30年、40年と、長いおつき合いの人が多いですね」(青木和子さん・以下同)
●剪定(せんてい)バサミは20年選手!
庭木のお手入れに欠かせない剪定バサミは、スイスの「フェルコ」のもの。「25〜26年前、ストックホルムのデパートで買いました」
●はぎれ布はどんなに小さくても取っておく派
小さなはぎれ布は、作品のアップリケなどに使うために保存。「ざっくりと色別にカゴに分け、アトリエの棚にしまっています」
水色の布は、作品の中で窓ガラスのアップリケに。「布以外にもトタンやコインなど、さまざまな素材をアクセントに使います」
●アイデアノートは一生保存
頭に浮かんだアイデアは、書きとめておかないと流れていってしまうから、モレスキンのノートにメモ。
「イメージを絵に起こし、使いたい素材を近くにはったりしています」
古いアイデアノートはバンカーズボックスにまとめて入れ、クローゼットの一角に保存。ときどき見返して、作品づくりの参考に。
●「着ない」と決めた色の服は寄付したり、譲ったり
白と青以外の服は、娘に譲ったり「古着でワクチン」に寄付したり。「赤はすごく好きで、この1枚だけ残しました。実際には着ることはなく、たまに肩や腰に巻いてアクセントに」
健やかに楽しく!青木さんの暮らしのルール
多くの人に愛される作品をつくり続けながら、心も体も健やかに楽しく暮らすために、青木さんが決めているルールを教えてもらいました。
●仕事は日のある時間だけ
朝6時前に起きて朝食と家事のあと、ちょっとひと息ついてから、仕事は9時すぎにスタート。「自然光でないと正確な色がわからないので、日が落ちる17時には終わりにします」
アトリエの壁に並べられた刺しゅう糸ケース。「手芸店が閉店するときに譲ってもらったもの。色の番号別に、分けて入れています」
●旅の思い出は石に込めて
旅先で拾った石を、窓辺に飾って。「きれいだなと思ったものを拾ってきます。どれをどこで拾ったのか今でもちゃんと覚えていて、そのときの思い出がよみがえるんです」
●趣味のカエルとハサミは好きなだけOK
大好きなカエルの置物と、ハサミは増やしてもいいことに。
「カエルは子どもが小さい頃、庭の池にいた思い出が。ハサミは用と美を兼ね備えたフォルムに惹かれます」