整理収納アドバイザーの原田さよさん(現在60歳)は、長男の遺品整理がきっかけで、ものの持ち方に対する考え方が大きく変わりました。人生を前向きに、これからの生活をいっそう大事にするために、現在どんなことを心がけているのか語ります。

息子の遺品整理から、ものの持ち方や生き方までが変わりました

思い出も愛着もあった、亡き我が子の遺品。原田さんはそれらを一つひとつ整理しながら、家の中の変化を見つめながら、自分や家族のこれからの暮らしと人生を考えるようになりました。

【写真】大量にあった蔵書も“体力があるうちに”処分

●亡くなって5年経ったころ思い出の品々を手放しました

息子さんが好きだったぬいぐるみ。祖父母から贈られた鯉のぼり。どちらも息子さんの死後5年が経ったころに手放しました。

「思い出は私の中にある。過去に生きるのはやめ、前を向こうと決意したんです。ぬいぐるみはおもちゃなどの寄付を受けつけているNPOに、鯉のぼりもイベントなどで使用する自治体に寄付しました」。かつて息子さんの部屋だったスペースは、娘さん家族が来たときの滞在部屋になっています。

「一気に手放す勇気が出ないからこそ、少しずつ整理していこう」。
なかなか手放せないものは「季節が来たら(夏服なら夏が来たら)息子の机に飾ってながめて、それを何年か繰り返して、最終的に処分。ちょっとした儀式をすることで気持ちに踏ん切りをつけてきました」

●あふれるほど持っていた本も今はこれだけ!

大の読書好きだった原田さん。大量にあった蔵書も今はこれだけです。「文字が小さくて読みにくいものは処分しました。束ねて2階から下ろすとき『怖い!』と思ったんです。重たいし、足元も見えない。体力があるうちに処分してよかったと思いました」。

手放して後悔している本もあるのでは? 「ありますよ(笑)。でも、新しいほうがきれいだし、今は大型活字本もありますから」

●新しく買うものは賢く慎重に「似合う服しか持たない!」

家の中のものが減っていくなか、原田さんが受けたのが“パーソナルカラー診断”でした。「53歳のときに初めて受けて、59歳で2回目を。年齢を重ねて、似合わない色が増えてきた気がしたんです。似合うものがわかっていれば買い物の失敗もなくなるし、これからは自分をより元気に、若々しく見せてくれる服を着ようと思って」

詳細な診断の結果、原田さんのタイプは黄色味ベースの春タイプ、なかでもブライト系(輝きのあるタイプ)と判明! 「私にも似合うピンク色があるとわかったのが特にうれしかった! ワードローブも変わりました」

 

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