電車に乗ると駅の場内アナウンスや車内アナウンスなどでよく「車内の中ほどまでお進みください」と言われることがあります。この「中ほど」とはどこを指し、なぜ詰めない人が多いのでしょうか。

満員電車で奥は空いているケースは多々ある

 都市部の駅の場内アナウンスや車内アナウンスなどでよく「車内の中ほどまでお進みください」と言われることがあります。この「中ほど」とはどこを指すのでしょうか。


満員電車のイメージ(画像:写真AC)。

 一般的に車内中ほどというのはドア付近のスペースではなく、扉と扉のあいだ、座席が配置されている部分を指します。相鉄のウェブサイトではより具体的に説明しており、座席前のつり革などが設置されている位置だけではなく、左右のつり革スペースの隙間に空いた、人ひとり分くらいの空きスペースに、特に進んで欲しいとアナウンスしています。

 車内の中ほどまで乗客がなかなか進まない問題は、混雑する路線では共通の課題となっており、各鉄道会社はSNSやホームページでお願いのアナウンスをしています。江ノ電では、鎌倉高校と七里ガ浜高校の生徒が構内放送を実施し、利用客に乗車マナーの向上を呼びかけるという試みをしたこともあります。

 乗客がドア付近に立ち止まった場合、ドア付近がぎゅうぎゅうに人が詰められ、乗降に時間がかかり、列車の遅延の原因となります。さらにドア付近の乗客の不快度もあがるためか、SNSでは「山手線でドア付近だけ混むやつやられて乗れないとイラつく以外の何者でもない」「乗車時に、電車の中ほどまで進まない人なんだろうね? 当たり前のことだけど、すぐに降りないなら、奥に行った方が満員電車でも絶対に楽だと思うんだ?」といった声も。

 ちなみに日経ビジネスでは、電車で「中ほど」まで進まない人を心理学的観点から分析した記事が配信されており、奥へ行かない人を単純に「気が利かないから」としています。「後から乗車した人が迷惑する」など、周囲に気を配れる人が少ないから起きる現象であるとのことです。